村田製作所が独自開発した統合型再エネ制御ソリューション「efinnos(エフィノス)」の外販を開始。太陽光発電と蓄電池などのリソースを最適に運用できるシステムで、製造業をはじめとする電力消費量の大きい設備や施設への提供を見込んでいる
村田製作所は2024年7月11日、独自開発した統合型再エネ制御ソリューション「efinnos(エフィノス)」の外販を開始すると発表した。太陽光発電と蓄電池などのリソースを最適に運用できるシステムで、製造業をはじめとする電力消費量の大きい設備や施設への提供を見込んでいる。
製造業においてもカーボンニュートラルに向けた取り組みが広がっており、なかでも心臓部である工場の省エネ・再エネ活用が大きなテーマの一つとなっている。しかし、工場での電力需要は、装置・設備の稼働状況や従業員の勤務形態、季節や天候などで大きく変動する。一方、太陽光などの再エネは季節や天候、地域特性などによって常に変動するため、安全で安定した工場の操業を維持しながら再生可能エネルギーの有効活用を図るためには、電力需要の変動に応じて供給量を最適制御するシステムが必須となっている。
そこで村田製作所では、工場などにおいて太陽光と蓄電池の効果的かつ効率的な活用を可能にするソリューションを開発。関連設備からデータを収集し、拠点内の機器や設備別の運転データおよび過去の運転実績、さらには外部機関から得た天候などの予測情報と組み合わせ、AIによってシステムを最適制御できるという。
なお、制御した複数拠点での電力消費や発電・蓄電の状況は、Webアプリケーションを通じてリアルタイムでモニタリングすることも可能。
同社では2021年9月の金津村田製作所への導入を皮切りに、電力需要傾向や地域特性の異なる国内5カ所の自社工場(金津、ワクラ、ハクイ、仙台、伊勢)において運用を行っている。そのうち、金津、仙台、伊勢では使用電力の100%再生可能エネルギー化を達成しているという。
ソリューションの提供においては、導入する事業所の過去の電力データや顧客のニーズに合わせて導入シミュレーションを実施し、期待できる効果を試算。導入後には、村田製作所が蓄積してきた知見とノウハウを生かして、効果を最大化するための支援サービスを提供するとしている。
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