メガソーラー用地の貸付料は101億円、瀬戸内市の230MW計画スマートシティ

岡山県の塩田跡地に建設する日本最大のメガソーラーの開発計画が工事に向けて動き出した。土地を所有する瀬戸内市と発電事業者が賃借契約を結び、2018年10月の運転開始に向けて着工の準備が整った。470万平方メートルにおよぶ土地の貸付料は25年間で総額101億円にのぼる。

» 2014年04月25日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 1971年まで「錦海(きんかい)塩田」として使われていた干拓地が、日本最大のメガソーラーに生まれ変わろうとしている。その広さは東京ディズニーランド10個分で、近隣の島よりも大きい(図1)。この塩田跡地の大部分を占める470万平方メートルの土地の賃借契約が2014年3月31日に取り交わされた。

図1 「錦海塩田跡地」の所在地。出典:瀬戸内市

 土地所有者の瀬戸内市が発電事業者の「瀬戸内Kirei未来創り合同会社」と締結した賃借契約は、総額101億円にのぼる。貸付料の内訳は工事期間の5年間で5億円、発電事業を運営する20年間で80億円、さらに地域振興のための事業費として16億円が加わる。メガソーラーの運転開始は2018年10月を予定しているため、2038年までが貸付期間になる。

 470万平方メートルの貸付部分のうち、太陽光発電設備を建設するのは半分強の265万平方メートルに限定する。自然環境に恵まれた瀬戸内海沿岸の動植物を保護するためである。瀬戸内海側を中心に「自然保全ゾーン」を設けて、湿地帯や遊水池を残し、緑地を広く配置する方針だ(図2)。

図2 「錦海塩田跡地」の全景。出典:瀬戸内市

 土地の賃借料を含むメガソーラーの総事業費は1000億円近い規模になるとみられる。瀬戸内市が策定した基本計画によると、メガソーラーの発電規模は230MW(メガワット)を想定している。すでに2012年度に固定価格買取制度の認定を受けているため、発電した電力の売電収入は年間で約100億円になる見込みだ。

 このプロジェクトを運営する「瀬戸内Kirei未来創り合同会社」には、金融機関のゴールドマンサックス、プラント建設の東洋エンジニアリング、日本IBMやNTT西日本などの有力企業が出資している(図3)。発電事業のほかにも、堤防の整備を含む安全安心事業、コンテンツ産業を育成する地域振興(まちづくり)事業を推進していく。

図3 メガソーラー事業の推進体制。出典:瀬戸内市

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