再生可能エネルギーによる発電量が増えたことや、スマートグリッドなどICTの活用で、多くの発電状況がコントロールできるようになったことで、分散型エネルギーシステムの普及が広がりを見せている。従来のように一括で発電して送電するという状況ではなく、電力においても双方向性が生まれているといえる(図2)(図3)。デイビス氏は「これまでの電力市場の状況とは全く異なり、分散化はゲームチェンジャーであるといえる。各地域で電力を地産池消し、必要があればグリッドから電力の供給を受けるような状況になっていく」と述べている。
再生可能エネルギーが発電の変動が大きく発電量のコントロールが難しいことから注目されているのが、電力を「エネルギーの1つの形」と捉え、水素など他の形で貯蔵するクロスオーバー化である。バランスの取れたエネルギーシステムには柔軟性が必須であり、余剰電力を他の形態でため、電力のピーク時にこれを変換して電力に戻して使うことが必要だ(図4)。
余剰電力の蓄積といえば、すぐに蓄電池が思い浮かぶが、最近では余剰電力から水素を生み出して貯蔵するPower to Gasなども注目を集めている(図5)。
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