富士経済は2026年3月26日、成膜装置やレーザー加工機などペロブスカイト太陽電池の製造装置市場に関する調査結果を発表した。
富士経済は2026年3月26日、成膜装置やレーザー加工機などペロブスカイト太陽電池の製造装置市場に関する調査結果を発表した。それによると、成膜装置の世界市場は2040年までに2024年比6.9倍、レーザー加工機は同4.5倍に拡大する見通しとしている。
ペロブスカイト太陽電池の製造フローはサブモジュール製造と封止に大別される。サブモジュール製造では、成膜装置で透明導電膜(TCO)、発電層(電子輸送層/ペロブスカイト層/正孔輸送層の3層)、背面電極を成膜し、それぞれ形成された膜に対してレーザー加工機などでパターニングが施される。
現状、研究機関での実証や開発メーカーの試作・パイロットラインへの導入から、商用化・量産化を見据えた生産ライン構築を目的とした導入にシフトしつつあり、成膜装置、レーザー加工機ともに市場が大きく拡大傾向にある。長期的に数量ベースでは拡大が続くものの、製品単価の下落や成膜装置におけるドライコーティングから低コストなウェットコーティングへのシフトにより、金額ベースでは伸びの鈍化や一時的な縮小などが予想されるとしている。
成膜装置の世界市場は、TCO基板、発電層(電子輸送層/ペロブスカイト層/正孔輸送層)、背面電極、封止工程の成膜装置を対象に調査を実施した。2025年の市場は前年比3.0倍の2130億円となる見込み。生産ラインでは、工程ごとに成膜装置が設置され、発電層向けの成膜装置が市場の中心となっている。2040年は2024年比6.9倍の4826億円に拡大すると予測した。
なお、コーティング手法別では、真空蒸着装置やスパッタリング装置の単価の高さもあり、ドライコーティング向けが2025年時点で市場の6割強を占めている。しかし長期的には、ドライコーティングと比べて低コストで生産ラインの構築が可能かつ、低温・大気圧環境下での連続生産が容易なウェットコーティングが中心的な手法になっていくとみられ、フィルム基板型のペロブスカイト太陽電池市場の拡大も後押しし、ウェットコーティング向け成膜装置の比率が高まる見通しだ。
レーザー加工機の2025年の市場は前年比3.7倍の876億円となる見込み。同市場は単接合型ペロブスカイト太陽電池向け、タンデム型(+結晶シリコン)向けに分けられる。前年までは単接合が市場をけん引していたが、タンデム型の開発が進んでおり、2025年の市場は数量、金額ともにタンデム型が単接合を上回る見通し。今後は、タンデム型が量産本格化を迎えることで市場が拡大し、2040年は2024年比4.5倍の1056億円となる見込み。また、市場の3分の2をタンデム型が占めるとしている。
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