営農型太陽光発電の「農地一時転用」、農山漁村再エネ法に基づく認定取得を条件化の方針に第6回「望ましい営農型太陽光発電に関する検討会」(1/4 ページ)

農林水産省が主催する「望ましい営農型太陽光発電に関する検討会」の第6回会合において、農地の一時転用許可に係る手続きの変更など、営農型太陽光発電の適正化に向けた大幅な制度改正の方針が示された。

» 2026年04月30日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

 営農型太陽光発電は、農地の一時転用許可を受け、営農を継続しながら太陽光発電を行う事業であり、適切に実施すれば、作物の販売収入に加え、発電した電力の自家利用等による農業経営の改善が期待できる取り組みである。

 このため、営農型太陽光発電設備を設置するための農地の一時転用許可件数は、令和5(2023)年度までに6,137件、その発電設備下部の農地面積は1,362haへと増加が続いている。

図1.営農型太陽光発電設備の許可件数等の推移 出典:望ましい営農型太陽光発電検討会

 しかしながら近年では、作物の生育不良など下部農地での営農への支障が生じている割合が上昇傾向にあるなど、本来の制度趣旨にそぐわない事例も増加している。また政府は、「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ」(令和7年12月)において、営農型太陽光発電については、農業との両立が図られる望ましい取り組みを明確化するとともに、地方公共団体等の関与の下、地域活性化に資する形で推進し、農業との両立が図られない等の不適切な取り組みに対しては厳格に対応することを定めている。

 このため、農林水産省は「望ましい営農型太陽光発電に関する検討会」を設置し、営農型太陽光発電の適正化に向けて、農地の一時転用許可に係る手続きの変更など、制度の大幅な見直しを行うこととした。

営農型太陽光発電の現状

 図1で、営農型太陽光発電に伴う農地の「一時転用」許可は、累計で6,137件・1,362haであることを示したが、これとは別に、営農を廃止し、太陽光発電を行うために農地全体を「恒久的に」転用する許可は累計97,923件・16,293haに上る。農地と太陽光発電の関係において、「営農型」は、全体のごく一部を捉えたものであることを念頭に置いて、農業・エネルギー政策の在り方を検討すべきであるが、実際には、詳細なデータが得られるのは「営農型」のみである。

 なお、営農型の一時転用許可を受けた件数全体のうち、荒廃農地を活用したものは令和5年度には12%(97件)、累計では10%(628件)である。

 営農型太陽光発電設備の下部農地での栽培作物の分類をみると、件数ベースでは榊(さかき)等の観賞用植物が36%(2,147件)と最も多く、太陽光パネルにより遮光することを前提とした特徴的な作物が多く栽培されている。

図2.下部農地での栽培作物 出典:望ましい営農型太陽光発電検討会

 営農型太陽光発電設備の下部農地での営農に支障があったものの割合は、令和5年度末において24%(1,221件)となっており、前年度と比較して2%上昇(294件増)した。支障の内容をみると、単収減少・生育不良(営農者に起因するもの)が71%(872件)となっており、このようなケースに対しては、農地転用許可権者が改善措置を講ずるよう指導を行っている。

図3.下部農地での営農に支障がある割合 出典:望ましい営農型太陽光発電検討会
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