営農型太陽光発電を目的とした農地の一時転用に関する現在の手続きフローは図4の通りであり、これまでも不適切な案件に対処するため、規律の強化が行われてきた。
一時転用の許可/不許可を判断する基準の一つとしてよく知られた「2割以上の単収の減少」などは、当初は局長通知で定められていたが、令和6年4月からはこれらの許可基準・提出資料に係る規定は法令(農地法施行規則)に明記されている。
また、農地法の改正(令和7年4月施行)により、農地転用の許可を受ける者は定期報告を行うことが義務化され、これに違反する場合、指導・勧告や許可取消などが措置されることとなった。
令和6年4月に施行された改正再エネ特措法では、関係法令の違反事業者に対してFIT/FIP交付金を一時停止する措置が新設され、これまで計29件・13事業者が処分されている。
太陽光発電等の再エネ電源の導入は、地域社会との共生が大前提である。営農型太陽光発電については、適正な農地利用の観点から、これまでも一時転用許可において、単収維持など営農に関する基準や、支柱の高さなど発電設備に関する基準が設けられてきた。また、令和6年4月に制定された「営農型太陽光発電ガイドライン」では、地域計画の協議の場での合意(図4参照)を得ることを求めているが、地域計画に参画するのは農業関係者のみであり、幅広い地域住民を対象とする仕組みとはなっていない。
そこで、農地法のみではカバーすることが困難な、地域社会との共生については、「農山漁村再生可能エネルギー法」の仕組みを併用する方針が示された。
農山漁村再エネ法では、市町村が、地域住民や農業者等の関係者と協議を行いつつ、再エネの導入と地域の農林漁業の健全な発展に資する取り組みを協議する計画制度が設けられている。
農山漁村再エネ法では、計画制度活用のメリットとして、農地法や森林法等の手続きのワンストップ化、荒廃農地等に設定された第1種農地の転用不許可の例外化などの特例が措置されているが、設備整備計画が認定された太陽光発電は、令和6年度末時点で33件・0.5GWに留まり、制度の活用が進んでいるとは言い難い状況にある。
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