営農型太陽光発電の「農地一時転用」、農山漁村再エネ法に基づく認定取得を条件化の方針に第6回「望ましい営農型太陽光発電に関する検討会」(3/4 ページ)

» 2026年04月30日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

「農地法+農山漁村再エネ法」による新制度の手続きフロー

 現行制度において、営農型太陽光発電を目的とした農地の一時転用を審査し、許可を与えるのは、都道府県知事又は市町村長、農業委員会(届出)である。

 このため検討会では、まずは国が営農型太陽光発電のあるべき姿を明確化し、地方公共団体等がそれに沿って適否を判断できるようにすることで、営農型太陽光発電の適正化を図る方針が示された。

 具体的には、「望ましい営農型太陽光発電の考え方」を農山漁村再エネ法に基づく基本方針に明記し、望ましい営農型太陽光発電に適合することについて、農山漁村再エネ法に基づく認定を受けることを一時転用許可の条件として位置づける。

図6.新たな制度の手続きフロー(案) 出典:望ましい営農型太陽光発電検討会

「望ましい営農型太陽光発電」の定義に関する方針案

 農山漁村再エネ法に基づく、現行の「基本的な方針」(告示)においても、営農型太陽光発電の意義やその推進については一定の記述がなされているが、今後これを改正し、望ましい営農型太陽光発電の基本理念や、この理念実現のために求められる営農型太陽光発電の形状・形態等について、より具体的に記述することとした。

 営農型太陽光発電の基本理念としては、以下の4項目が示された。

  1. 適切な営農の継続を大前提として、特例的に農地一時転用を認めるものであること(規定の収量減少のおそれがなく、発電設備は簡易な構造で容易に撤去できるものであること)
  2. 将来にわたって、農地の食料生産基盤としての機能が維持され、食料安全保障の確保に資する取り組みであること
  3. 農業者の所得向上や経営発展に資する取り組みであること
  4. 地域と共生し、地域活性化に資する取り組みであること

 また、基本理念実現のために求められる営農型太陽光発電の形状・形態としては、「(1)営農に関すること」「(2)発電設備に関すること」「(3)地域との共生に関すること」のカテゴリーごとに、具体的な要件が定められる予定である。

 現時点の要件案としては、以下のような内容が検討されている。

  • (1)営農に関すること
    • a)営農者:地域計画において10年後の農業を担う者として位置づけられていること
    • 栽培に必要な労働力が確実に確保されていること
    • 栽培品目について、50万円以上の生産・販売実績等を有しているなど、業としての農業の持続性が確保されていること
    • b)品目:地域で栽培され、一般的な販売ルートが確立している品目であること。一般的に市場価値が認められないものを発電事業者等が買い取る場合は含まれない。

参考情報として、米・麦・大豆は、(2)の遮光環境下でも適切な栽培管理を前提に規定の単収を確保することが可能(※推奨品目という位置づけではない)

  1. 原則毎年収穫可能な品目であること等
  • (2)発電設備に関すること
    1. 遮光率が30%未満であること
    2. 機械作業に支障がないものであること(最低地上高3m以上、支柱間隔4m以上)等
  • (3)地域との共生に関すること
    1. 協議会等において地域の農業者や住民等の合意が得られていること
    2. 発電事業者から営農者等に対し適正な利益還元を行うこと
    3. 土地改良事業の施行や農業経営の規模拡大等の施策の妨げになるおそれがないこと
    4. 保険加入等により第三者への損害に対する補償が確実であること
    5. 撤去費用の確保が確実であること等

 新たな制度では、これまでの農地法のみに基づく取扱いから、農地法及び農山漁村再エネ法に基づく取扱いとするため、表1のように関係規定を改正する予定である。

表1.関係規定の改正(案) 出典:望ましい営農型太陽光発電検討会

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