白熱灯に2016年度から省エネトップランナー制度を適用、蛍光灯には言及なし省エネ機器(2/2 ページ)

» 2015年11月27日 09時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]
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水銀含有量の多い照明は製造・輸出入が原則禁止へ

 2020年に製造・輸入・輸出が禁止されることが決まっている照明の1つには水銀灯(高圧水銀放電ランプ)がある。高圧水銀ランプは、広場や公園、商店街などの照明、道路照明、スポーツ施設照明、工場照明、ライトアップなど高照度が必要な場所に広く使用されている。こちらの規制は省エネの観点ではなく「水銀規制」の観点での規制が進められる(関連記事)。

 2013年に採択された「水銀に関する水俣条約」により、水銀を一定比率以上含む製品の製造や輸出入は2020年までに原則禁止となる。日本政府も水銀による環境の汚染の防止に関する法案を2015年3月10日に閣議決定した。これによると、水銀の含有量の高い一般照明用のコンパクト蛍光ランプや直管蛍光ランプ、高圧水銀放電ランプ、電子ディスプレイ用冷陰極蛍光ランプなどは規制対象となっており、2020年以降の製造・輸出入ができなくなる。ただ、こちらも2020年に即座に販売や使用が禁止されるわけではなく、在庫製品を利用した販売や使用そのものは続けてよいものとなっている(図2)。

photo 図2 水銀規制の対象となるランプ 出典:日本照明工業会

省エネトップランナー制度を流通・サービス業にも拡大

 官民対話では新たに、省エネトップランナー制度をメーカーにだけ適用するのではなく、2015年度中に流通・サービス業にも拡大する考えも示している。さらに、2020年までに、ハウスメーカーなどの新築戸建の過半数をネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化する方針も示した。節電した電力を売れる「ネガワット取引市場」についても2017年までに創設する。そのため、2016年度中に、事業者間の取引ルールを策定し、エネルギー機器を遠隔制御するための通信規格を整備するとしている。

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