特集
» 2016年03月25日 07時00分 公開

洋上風力の発電効率30%を実証、日本初の着床式2カ所で自然エネルギー(3/3 ページ)

[石田雅也,スマートジャパン]
前のページへ 1|2|3       

風向のばらつきが発電量に影響も

 風力の発電量は風速に比例して増えるため、設備利用率は年間の平均風速からおおむね予測できる。平均風速が7メートル/秒の場合には、設備利用率は32.3%になるのが標準的である(図8)。ただし発電量には風向が影響を与えるほか、洋上では波や潮による発電設備の揺れも影響を及ぼす。

図8 年平均風速と設備利用率(理論値)。m/s:メートル/秒。出典:資源エネルギー庁

 2つの地域の観測データを比較してみると、風向に大きな違いがある。銚子沖では南北方向に吹く風が多いのに対して、北九州市沖では東西方向の風が多いものの各方向からまんべんなく吹いている(図9)。

図9 銚子沖(左)と北九州市沖(右)の風向出現率(高さ80メートル、画像をクリックすると拡大)。出典:NEDO

 風向が変動すると風車の回転速度が遅くなって発電量が減ってしまう。北九州市沖で設備利用率が30%を下回った理由の1つは、風向のばらつきにあると考えられる。それでも30%に近いレベルの設備利用率を得られたわけで、洋上風力の発電効率の高さを示している。日本の近海における洋上風力発電の拡大に期待がもてる結果である。

 NEDOは2017年3月まで銚子沖と北九州市沖の実証設備を運転する予定だ。その間に得られた観測データは随時公開する。2014年以降の結果が加わると、洋上風力発電の効果がいっそう明確になる。

*この記事の電子ブックレットをダウンロードへ

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.