「雪氷熱」でデータセンターを冷房、電力の使用量半減へ自然エネルギー(1/2 ページ)

インターネットの発達によって大量のIT機器を収容できるデータセンターの需要が拡大している。IT機器の消費電力に加えて、機器が発する熱を吸収するために冷房の使用量が非常に多い。雪を固めた「雪氷」と外気を組み合わせて、年間を通じて冷房可能なデータセンターが新潟県に誕生する。

» 2016年04月01日 13時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
図1 長岡市の位置。出典:長岡市庶務課

 新潟県の長岡市で「雪氷(せっぴょう)熱」を利用した省エネ型データセンターの建設プロジェクトが4月1日に始まった。長岡市は県の中部に位置する交通の要所で(図1)、新潟県内では降雪量が少ない地域だが、それでも冬には1メートル以上の積雪がある。

 新設するデータセンターは雪を固めた大きな雪氷を冬のあいだに作っておいて、その冷気で夏の冷房を可能にする。雪氷の下部から配管を通じて冷気を空調機に取り込み、大量のIT(情報技術)機器を設置したデータセンターの内部に供給する仕組みだ(図2)。冬には冷たい外気で冷房が可能なため、年間を通して電力を使わずに済む。

図2 雪氷と外気を活用したデータセンターの空調システム(画像をクリックすると拡大)。出典:NCRI

 こうした自然エネルギーを活用したデータセンターを「グリーン・エナジー・データセンター(GEDC)」と呼ぶ。雪氷熱を利用した事例では、青森県の六ヶ所村(ろっかしょむら)で2015年12月に完成した「青い森クラウドベース」が有名だ(図3)。

図3 「青い森クラウドベース」のデータセンターの外観イメージ。出典:青い森クラウドベース

 ユニークな社名の会社が運営するデータセンターで、雪氷熱によるGEDCのノウハウをもつNCRI社が建設を支援した。長岡市の新データセンターも同じNCRI社の技術を使った冷房システムを採用する。

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