一次エネルギー効率143%、光熱費とCO2を5割以上削減する新型給湯器省エネ機器(2/2 ページ)

» 2016年04月26日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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狙うは拡大するZEH市場

 ノーリツが新型のハイブリッド給湯・暖房システムで狙うのは、市場が拡大傾向にある「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」市場だ。政府は2030年に新築戸建て住宅でZEHの達成を目標に掲げている。そこで新製品には高いエネルギー効率/省エネルギー性能の他にも、複数の改良を加えている。

 1つ目が太陽光発電システムを導入している戸建て住宅への対応だ。戸建てのZEH化に向け、太陽光発電システムを採用する場合も多いため、新製品では運転モードに従来からある「売電優先モード」に加え「自家消費優先モード」を新たに追加した。このモードでは太陽光発電を行う時間帯にヒートポンプユニットを積極的に稼働させられる。再生可能エネルギーの固定価格買取制度における売電価格の下落に伴い、今後高まるとみられる電力の自家消費ニーズに対応する。

 2つ目が設置性と施工性の改良だ。新商品では貯湯ユニットの排気方向を前面から側面に変更することで、必要な奥行き寸法を従来品の700ミリメートルから最小で550mmに縮小した。これにより設置スペースを約31%削減することが可能になり、都市部などでニーズが多い狭小地への設置に対応した(図3)。

図3 従来比31%設置スペースを削減 出典:ノーリツ

 貯湯ユニットは標準排気方向を前方から側面に変更したことで、貯湯ユニット自体のリバース設置(180度反転設置)を可能にしている。貯湯ユニット下部に配管を取り回す空間を確保することで、貯湯ユニットの左右どちらにヒートポンプユニットを設置しても配管が取り回しやすく、設置自由度も向上している。

 ハイブリッド給湯・暖房システムは、メーカー保証期を5年間付与する。有償の最長10年間の延長保証サービスも提供する。なお、貯湯量90リットルの従来品も継続して販売を続ける計画だ。

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