8月の後半に検針した使用量のデータが未通知の状態になっている理由は4つに分類できる(図4)。このうち最初の2つはシステムの不具合に伴う処理の遅れによるもので、時間をかけて解消できる。残る2つの中で以前から未通知が継続している分が80件ある。7月までの検針値が不明なために8月分の使用量も確定できないケースだ。
以上の3つの理由で使用量のデータが未通知になっている状態は9月中旬までに解消できる見通しが立った。ところが問題は4つ目の理由である。8月に新規に検針したにもかかわらず、月間の使用量を確定できないケースが引き続き発生している。
この問題は旧式のメーターからスマートメーターに取り替えたデータがシステムの中で正しく反映できないことが原因になっている。システムの改修を完了するまでに年内いっぱいかかる見込みだ。当面は人手でデータを補正しながら未通知の状態を解消し続ける必要がある(図5)。
一連の問題の発生源になっている託送業務システムには、メーターで検針したデータをもとに需要家ごとの月間使用量を確定して、小売電気事業者や発電事業者に通知する役割がある。東京電力PGのシステムは4月に稼働した当初から4カ所で不具合が発生して現在も解決できていない(図6)。
託送業務システムの不具合によって使用量のデータのほかに発電量のデータの通知も遅延している。大半は住宅に設置した太陽光発電システムの発電量のデータで、9月5日の時点で合計7223件が未通知の状態にある(図7)。発電量がわからないと固定価格買取制度を通じた売電額を確定できない。
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東京電力のスマートメーター遅延が拡大、最大2カ月も先送りに
東京電力からTEPCOへ、「実績やプライド、かなぐり捨てる」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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