トルコで建設中の大規模な地熱発電所に、蒸気と熱水を併用できるコンバインドサイクル型の発電設備を導入する計画が進んでいる。発電能力は蒸気で12万kW、蒸気と熱水を利用したバイナリー方式で4万kWになる。東芝と米国メーカーが製造を担当して2017年内に運転を開始する予定だ。
トルコでは地熱発電が急速に拡大している。その中心は地中海に近いトルコ南西部の「クズルデレ(Kizildere)地熱発電所」で、現在は第1発電所と第2発電所が運転中だ(図1)。新たに第3発電所の建設工事を進めていて、1号機に続いて2号機の導入計画が決まった。
1・2号機ともに地熱発電では最先端のコンバインドサイクル型の設備を導入する。コンバインドサイクルは2段階の発電方式を組み合わせて効率を高める仕組みで、LNG(液化天然ガス)を燃料に利用する火力発電所で広く使われている。地熱発電では高温の蒸気で発電した後に、低温の蒸気と熱水を利用して2段目の発電を可能にする(図2)。
クズルデレ地熱発電所では高温の蒸気で発電するフラッシュ方式の設備を東芝から、低温の蒸気や熱水で発電するバイナリー方式の設備を米国のオーマットテクノロジーズ(Ormat Technologies)から導入する。東芝とオーマット社は地熱発電の分野で提携関係にあり、世界各国で共同の受注活動を展開している。
第3発電所の1号機はフラッシュ方式で7万kW(キロワット)、バイナリー方式で2万kWの発電能力になり、2017年10月に運転を開始する予定だ。一方の2号機はフラッシュ5万kWとバイナリー2万kWの組み合わせで、同年12月の運転開始を見込んでいる。
2基を合わせた発電能力は16万kWに達して、日本の地熱発電所で最大の「八丁原発電所」(大分県)の11万kWを上回る。八丁原発電所ではフラッシュ方式の発電設備2基を運転している。
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