大型の蓄電池を備えたメガソーラー着工、出力変動を1%以下に抑える自然エネルギー(1/2 ページ)

北海道では発電能力が2MW以上のメガソーラーを新設する場合には蓄電池を併設しなくてはならない。天候によって太陽光発電の出力が変動する影響を緩和するためで、変動幅を1分あたり1%以下に抑えることが条件だ。国内最大級の蓄電池を併設するメガソーラーの建設工事が苫小牧市で始まる。

» 2016年10月03日 11時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 大型の蓄電池を備えたメガソーラーを建設する場所は、北海道の空の玄関口である「新千歳空港」に近い苫小牧市内の林地だ(図1)。空港の敷地から南に1キロメートルほどの至近距離で、平坦な林地を造成してメガソーラーを建設する。用地の面積は78万平方メートルにのぼる。

図1 「新千歳空港」の全景。空港の南側(写真では上)にメガソーラーを建設。出典:国土交通省

 北海道と鹿児島県を中心にメガソーラーを展開する日本グリーン電力開発が建設・運営する。10月5日に着工して、2018年8月に運転を開始する予定だ。発電能力は38MW(メガワット)に達する。年間に3700万kWh(キロワット時)の電力を供給できて、一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して1万世帯分を超える。

 このメガソーラーの最大の特徴は、容量が1万kWhもある大型の蓄電池システムを併設する点にある。電気自動車の「日産リーフ」の最新モデルに搭載している蓄電池の容量は30kWhで、それと比べて300台分以上に匹敵する規模になる。韓国のLG化学が製造するリチウムイオン蓄電池を導入する(図2)。

図2 導入予定のリチウムイオン蓄電池。出典:日本グリーン電力開発
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