都市部の狭小地にも設置可能、店舗・オフィス向け新型エアコン省エネ機器

ダイキン工業は、店舗・オフィス向けのマルチエアコンの新製品を2017年4月に発売する。大幅な小型化を図り、設置スペースが限られる都市部にも導入しやすくしたのが特徴だ。

» 2016年12月16日 11時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 ダイキン工業は、都市部に多い狭小地への設置に対応した「店舗・オフィス用マルチエアコン」の新製品を2017年4月24日から順次発売すると発表した。

 小規模ビルが密集する都市部では、建物周辺に従来のビル用マルチエアコンの室外機を設置するスペースが確保しにくく、多くの場合、小型の室外機を何台も設置していた。そのため、建物周辺やビル壁面などに多くの室外機が並び、メンテナンス作業も困難だった。新商品は、従来のビル用マルチエアコンに比べ、室外機の設置面積を小型化したことにより、スペースの限られた場所にも設置できる。さらに室内機も、小空間でも設置しやすい「スクエアカセット」を2017年4月3日から、ホテルの客室などの天井に省スペースで納まる「天井埋込ダクト形(コンパクトタイプ)」を同年6月1日から販売する(図1)。

図1 新製品の外観 出典:ダイキン工業

 従来、室内機ごとに個別運転できるビル用マルチエアコンの室外機は大型で、奥行きのある上吹き形状が主流だった。そのため、都市部のようなビルが隣接している場所では、ビルの間などの狭小地に搬入・設置することが困難な場合があった。新型の店舗・オフィス用マルチエアコンは、スリムな横吹き形の形状を採用することで、従来の上吹き形に比べて最大約58%の小型化、43キログラムの軽量化を実現。狭小スペースへの搬入しやすさを向上させ、従来の上吹き形状の室外機では設置が難しかった場所へも設置が可能になるという。小型設計ながら、4〜12馬力までのラインアップを用意する。

 ビル用マルチエアコンと同じく個別運転が可能なため、室内機ごとに運転・停止や温度設定の変更などができる。そのため、部屋の用途や間取り変更にもフレキシブルに対応する。また、同社ビル用マルチエアコンの室内機が全種類接続できるため、部屋の形状や雰囲気に合わせた設計が可能だ。空調機の更新時には既設の配管や配線を流用可能で、工期を短縮し、更新工事によるテナントの業務への影響を抑える。

 スクエアカセットは従来の4方向吹出タイプと比べ、パネル幅の寸法を約35%小型化しながら、2.2〜5.6 kWまで幅広くラインアップした。これまで1方向吹出や2方向吹出タイプしか設置できなかった小部屋や、照明や消防設備によって設置スペースが限られる天井にも容易に設置できる。オフィス、店舗など、さまざまな用途の空間への設置も違和感がないよう、直線を基調としたシンプルなパネルデザインとした、4方向に風を吹き出すことで気流のムラを低減することをはじめ、4つの吹出口それぞれに個別に風向設定ができるため、エリア別に風を吹き分けることも可能。また、近年、オフィスビルでの採用が増えているシステム天井にもジャストサイズに設置できるとしている。

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