1.5万世帯分を発電する静岡県最大のメガソーラー、浜松市の再エネ戦略を加速太陽光(1/3 ページ)

静岡県浜松市と湖西市にまたがる浜名湖。うなぎの養殖などで知られるこの湖の側に、SBエナジーと三井物産が運営する県内最大級のメガソーラーが完成した。出力は43.4MWで、年間発電量は約1万5000世帯分を見込んでいる。太陽光発電の導入量で全国トップを走る浜松市の再生可能エネルギー戦略を大きく推し進めるメガソーラーだ。現地を取材した。

» 2017年02月02日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 太陽光発電の導入量で全国トップの浜松市に、新たに静岡県内で最大級の出力を誇るメガソーラーが完成した。SBエナジーと三井物産が運営する「ソフトバンク浜松中開ソーラーパーク」(以下、浜松中開ソーラーパーク)で、2017年2月1日に稼働を開始した(図1・2)。同日には現地で運転開始式も開催された。

図1 「ソフトバンク浜松中開ソーラーパーク」の全景。6つの区画から成る 出典:SBエナジー
図2 南側は浜名湖に面している(クリックで拡大)

 浜松中開ソーラーパークは浜松市西区の協和町字中開、庄内町字中開および庄和町字中開にまたがる約53万1000平方メートルの土地に建設した。うなぎの養殖などで知られる浜名湖に面した立地で、発電所の出力規模は43.4MW(メガワット)だ。EPCは東芝、建設工事は大林組、発電所の運営はSBエナジーと三井物産が50%ずつ出資する特別目的会社の浜松中開ソーラーパークが担当する。

 太平洋側に位置する浜松市は全国トップクラスの日射量を誇る。ゆえに太陽光発電も盛んで、2016年8月末時点における導入量は300MW(キロワット)を超えており、こちらは全国1位の実績だ(関連記事)。

 浜松中開ソーラーパークの設備利用率は「保守的に見積もって年間12〜14%程度を想定している。しかし浜松市は日射量が豊富なため、さらに高まる可能性も大いにある」(SBエナジー)としており、年間発電量は5万3924MWh(メガワット時)を見込んでいる。これは一般家庭に換算すると1万4979世帯分の年間電力消費量に相当する発電量だ。

 発電した電力は「再生可能エネルギーの固定買取価格制度」を利用して、全量を中部電力に売電する。年間の売電収益は21億5700万円を見込む。なお、総事業費は非公開としている。

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