「エネファーム」の導入コスト低下、補助金を付けて100万円を切る蓄電・発電機器(1/2 ページ)

政府は家庭用の燃料電池「エネファーム」の普及を加速させるため、2017年度も引き続き総額100億円規模の補助金を交付する。導入コストの低下に向けて、補助金の対象になる基準価格を前年度と比べて11〜16万円引き下げることを決めた。普及タイプのエネファームは100万円以下で導入できる。

» 2017年02月03日 13時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

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 都市ガスから水素を作って電力と温水を供給できる家庭向け燃料電池「エネファーム」の補助金が2017年度も続く。エネファームには普及タイプの「PEFC(固体高分子形燃料電池)」と高効率タイプの「SOFC(固体酸化物形燃料電池)」の2種類がある。それぞれで補助金の対象になる価格帯と補助額が確定した。

 2016年度に始まったエネファームの新しい補助金の制度では、機器と工事費を合わせた導入コストに応じて補助額が変わる仕組みだ。PEFCとSOFCの双方に「基準価格」と「裾切価格」を設定して、どの範囲に入るかで補助額を決定する(図1)。

図1 エネファームの導入支援補助金の対象価格と補助額(2017年度)。出典:資源エネルギー庁

 PEFCの場合には基準価格が111万円で、それ以下の導入コストであれば11万円の補助金が付く。補助金の交付を受ければ100万円以下で導入できる。基準価格を上回った場合には補助金は5万円に減り、さらに裾切価格を超えると補助の対象外になる。こうした仕組みで販売店に対して導入コストの低下を促す狙いだ。

 政府は2020年度までに全国で140万台の普及を目指している。エネファームは都市ガスから効率よく電力と温水を作ることができる。家庭の省エネを促進するのと同時に、災害時の停電対策としても有効だ。全国の家庭に普及すれば、国全体のエネルギー消費量の削減と防災対策につながる。

 ただし一般の家庭が広く導入するためにはコストの低下が不可欠である。PEFCは2019年度に80万円へ、SOFCは2021年度に100万円まで引き下げることが目標になっている(図2)。2017年度の補助金で設定した基準価格は、この目標に沿う水準まで下がった。

図2 エネファームの価格低下イメージ(出力700ワットの製品)。PEFC(左)、SOFC(右)。出典:資源エネルギー庁
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