NTTファシリティーズは、2017年5月10〜12日に東京ビッグサイトで開催された「データセンター展」で、“空調を丸ごと外に出す”冷却システム「Oasis(オアシス)」を展示した。
データセンターのトレンド「高密度・高発熱化対応」に対する1つの答えとなる――。NTTファシリティーズは、2017年5月10〜12日に東京ビッグサイトで開催された「データセンター展」で、間接蒸発冷却式空調システム「Oasis(オアシス)」を展示した。
同社ビジネス推進部の上田哲也氏によると、Oasisは室内機と室外機で構成される一般的な空調機と異なり、“空調を丸ごと外に出したもの”という。室内の高温な空気をダクトで室外の筐体に搬送し、熱交換器に送風して冷却を行い、再び室内に空気を戻す。
外気条件に応じて、3つの冷却モードがあるのが特徴だ。冬向けの「ドライモード」では、熱交換器表面に低温の外気を送風することで、空気対空気の熱交換を行い冷却する。中間期向けの「ウェットモード」では、外気送風と水噴霧による気化熱を利用して冷却。夏向けの「ウェット+補助熱源モード」は、ウェットモードの冷却だけでは取りきれなかった熱量のみを、圧縮機などの補助熱源を利用して冷却している。
またポリマー熱交換器を採用。アルミニウム熱交換器はスケール付着や経年劣化が起きてしまうが、ポリマー採用により高いロバスト性と熱交換率を両立した。ブース担当者は「一概には言えないが、15年間の寿命は保証できるだろう」と語る。
これらにより、年間エネルギーコストは標準的な空調システムと比較して60%、同社最新のシステムからは27%削減可能とする。モジュールごとのデータセンターの省エネ性能を表す「pPUE(partial Power Usage Effectiveness)」は1.13である。
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