“空調を丸ごと外に出す”冷却システム、データセンターの新たな常識となるか省エネ機器(2/2 ページ)

» 2017年05月19日 09時00分 公開
[庄司智昭スマートジャパン]
前のページへ 1|2       

「バルコニータイプ」を展開

 Oasisは同社がスウェーデンMuntersと2016年8月に事業提携を行い、国内における独占販売権を取得して提供を開始した。上田氏によると、欧州では郊外の広い敷地に平屋あるいは2階建てのデータセンターを建設するケースが主流である。また間接蒸発冷却システムの普及は進んでいるが、多くの場合は屋上に設置するという。

 日本では都市部の限られた敷地に、多層型データセンターを建設するケースが多い。限られた屋上面積で、高発熱・高密度に設置された装置を冷却しなければならない。そのためNTTファシリティーズでは、国内展開に当たり「バルコニータイプ」を発表した。国内市場向けにカスタマイズした製品で、名前の通りバルコニーへの設置が可能だ。

国内向けにバルコニータイプを展開 (クリックで拡大) 出典:NTTファシリティーズ

 標準品とは異なり給排気方向を同一側面とすることで、接地面積に制約のある屋上ではなく、各階でのバルコニー設置を実現。都市部における騒音対策として、バルコニータイプ用に最適化したサイレンサーの取り付けにより、騒音値を低減したとする。

 普及に向けて課題はまだ多いとしているが、上田氏は「国内市場にOasisのような新しい概念を取り入れることに、1番意義があると考えている」と語った。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.