Oasisは同社がスウェーデンMuntersと2016年8月に事業提携を行い、国内における独占販売権を取得して提供を開始した。上田氏によると、欧州では郊外の広い敷地に平屋あるいは2階建てのデータセンターを建設するケースが主流である。また間接蒸発冷却システムの普及は進んでいるが、多くの場合は屋上に設置するという。
日本では都市部の限られた敷地に、多層型データセンターを建設するケースが多い。限られた屋上面積で、高発熱・高密度に設置された装置を冷却しなければならない。そのためNTTファシリティーズでは、国内展開に当たり「バルコニータイプ」を発表した。国内市場向けにカスタマイズした製品で、名前の通りバルコニーへの設置が可能だ。
標準品とは異なり給排気方向を同一側面とすることで、接地面積に制約のある屋上ではなく、各階でのバルコニー設置を実現。都市部における騒音対策として、バルコニータイプ用に最適化したサイレンサーの取り付けにより、騒音値を低減したとする。
普及に向けて課題はまだ多いとしているが、上田氏は「国内市場にOasisのような新しい概念を取り入れることに、1番意義があると考えている」と語った。
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