新しい水車で出力増強、540世帯分の発電量アップ自然エネルギー

北陸電力は、既存の水力発電所の改修による出力増強に取り組んでいる。新たに富山県魚津市の発電所を改修し、出力を300kW(キロワット)向上させた。年間450世帯分の発電量増加が見込めるという。

» 2017年08月18日 09時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 北陸電力は電源の低炭素化に向け水力発電電力量の拡大を目指し、既設設備の改修を積極的に進めている。最近では「片貝第二発電所」(富山県魚津市)を改修し、出力の増強を行った。

 片貝川水系の片貝第二発電所は、1922年8月に運転を開始。水車は横軸単輪単流渦巻フランシス水車で、横軸三相交流同期発電機を備えている。今回、水車羽根車の取り替えを実施し、性能確認試験を行った。その結果、発電所出力を300kW増加できることを確認したことから、最大出力を8600kW(キロワット)に引き上げた。

「片貝第二発電所」の外観 出典:北陸電力

 これにより年間発電電力量は約170万kWh(キロワット時)増加する。この増加分は一般家庭約540世帯の年間使用電力量に相当。また、CO2排出量削減効果は年間約1000トンになるとする。

 北陸電力は2007年度比で、2025年度までに水力発電の発電量を年間2.4億kWh増やすことを目指している。今回の片貝第二発電所の改修により、年間発電量は2007年度比で約1.37億kWhまで増加した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.