水力発電で目指せ2.4億kWh、北陸電力が目標をさらに引き上げ自然エネルギー(1/2 ページ)

北陸電力の水力発電の増強を目指した中期計画が、達成できる見込みが立った。2020年度までの目標だった発電量1.3億kWhを3年前倒しで達成する見込みで、新たに目標値を1.5億kWhに引き上げている。さらに2025年までに2.4億kWhという長期目標に向け、今後も既設設備の改修や発電所の新設を進める。

» 2017年04月05日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 北陸電力は電力の安定供給とCO2排出量の削減に向け、再生可能エネルギー電源の拡張に注力している。特に注力しているのが水力発電の増強だ。2017年4月3日に、新たな水力発電による電力量の拡大計画として、2020年度までに1.5億kWhという目標値を定めた。長期計画として2025年度までに2.4億kWhを目指す方針だ。

 北陸電力は2016年度に、2020年度までに水力発電による年間発電量を1.3億kWhに拡大する目指す計画を掲げていた。これは2014年3月に設定した従来の1億kWhという目標をさらに引き上げた数値だが、このほどその目標値を2017年度内に達成できる見込みが立った。そこで今回、中期目標値をさらに引き上げたかたちだ。なお、1.3億kWhの発電量は、2009年度の実績と比較すると約20倍である。

北陸電力の水力発電による電力量の推移(クリックで拡大) 出典:北陸電力

既設改修で出力アップ

 北陸電力は水力発電所の新設に加え、老朽化した発電所を改修して出力を高めることで発電量の増強を図ってきた。2009年度以降、30カ所近い既存水力発電所で改修による出力増強を行っている。

 今後も新たな中期目標の達成に向けて、既設発電所の改修を進める計画だ。2017年4月3日には、「西勝原第三発電所」(福井県大野市)の設備改修の効果を確認し、経産省に電気事業法に基づく出力変更の届出を提出した。

「西勝原第三発電所」の外観 出典:北陸電力

 西勝原第三発電所は1968年5月に運転を開始した。今回の改修では水車羽根車を、立軸渦巻デリア水車に交換した。その結果、出力は1500kW増の4万9500kWとなった。年間660万kWh(キロワット時)の電力を発電できる見込みだ。

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