トヨタが燃料電池バスを販売へ、国内初の型式認証電気自動車

トヨタが燃料電池バス「SORA」を開発。国内で初となる型式認証を取得し、販売を開始した。

» 2018年03月30日 07時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 トヨタは、燃料電池バス(FCバス)「SORA」を開発し、FCバスとして国内で初めて型式認証を取得した。2018年3月7日から販売を開始している。

 政府が世界に“水素社会”をアピールする場として位置付ける2020年の「東京オリンピック・パラリンピック」に向け、今後、東京を中心に100台以上のFCバス導入が予定されている。

 トヨタが開発したSORAは、Sky、Ocean、River、Airの頭文字をつなげたものので、地球の水の循環を表している。外観は従来の路線バスに見られる六面体(箱形)から大きく異なる立体的な造形を追求し、前後ランプにLED採用し、一目でFCバスとわかるデザインを意識した。車両サイズは1万0525×2490×3350mmで、定員は79人。

 燃料電池自動車「MIRAI」向けに開発した「トヨタフューエルセルシステム」を採用し、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能と、騒音や振動が少ない快適な乗り心地を実現したとしている。

 外部給電システムも搭載した。最高出力9kW、供給電力量235kWh(キロワット時)の電源供給力を備えており、災害時には電源としての利用が可能だ。

 車内外に配置した8個の高精細カメラの画像を運転席モニターに表示。さらに、バス停車時には周囲の歩行者や自転車などの動体を検知し、運転手へ音と画像で知らせる「視界支援カメラシステム」を搭載し、安全性も向上させている。

 この他、モーター走行により変速ショックがないことに加え、急加速を抑制し緩やかな発進を可能とする加速制御機能の採用により、車内で立っている乗客の安全性に配慮した。この自動格納機構付き横向きシート、視界支援カメラシステム(バス周辺監視機能)、加速制御機能はいずれも日本初(2018年3月28日現在、同社調べ)の機能だという。

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