ダムの維持流量を有効活用、850世帯分を発電する水力発電所自然エネルギー

中部電力グループのシーテックが岐阜県下呂市に建設を進めてきた水力発電所が運転を開始。ダムから放流する河川維持流量を有効活用し、年間850世帯分の電力を発電する見込みだ。

» 2018年09月25日 09時00分 公開
[スマートジャパン]

 中部電力グループのシーテック(名古屋市)が、2017年8月から建設工事を進めてきた「さこれ水力発電所」(岐阜県下呂市)がこのほど営業運転を開始した。

 同小水力発電所は、中部電力が所有する東上田ダム(岐阜県下呂市)左岸に新設したもので、ダムから放流する河川維持流量を有効活用する。同ダム左岸にある既設取水口から維持流量分を取水し、新設した水圧管路で下流側に導水(サイフォン式)して、立坑内の水車・発電機で発電を行う。発電後の流水は、現状と同様にダム直下に放流する。

発電所の建設位置 出典:シーテック

 発電機の出力は380kW(キロワット)で、想定発電量は一般家庭約850世帯分の年間使用電力量に相当する266万kWh(キロワット時)を想定している。年間1260トン程度のCO2削減効果も見込んでいる。

発電所の外観 出典:シーテック

 シーテックが自社開発した小水力発電所としては、「秋神水力発電所」(岐阜県高山市、2016年5月営業運転開始、出力290kW)に次ぐ2例目となる。

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