太陽光発電の遠隔監視サービス「エコめがね」などを展開するNTTスマイルエナジーは、卒FIT太陽光の余剰電力買い取り事業に参入。この他、蓄電池向けのエコめがねなど、複数の新事業の開発に取り組む計画だ。
太陽光発電の遠隔監視サービス「エコめがね」などを展開するNTTスマイルエナジー(大阪市、小鶴慎吾社長)は、新たに卒FIT電力の買い取りや、電気自動車(EV)を活用したオフィスビルでの電力最適制御ビジネスなどの事業に取り組む。また、エコめがねの技術をベースにた自家消費向けや蓄電池制御向けサービスの展開も図る。2018年11月8日に東京都内で会見を開き、同社の代表取締役社長である小鶴慎吾氏がこうした今後の事業展開について説明した。
NTTスマイルエナジーはNTT西日本とオムロンが出資し2011年に設立。NTT西日本の通信技術とオムロンの制御技術を組み合わせ、太陽光発電の遠隔監視サービスなどの事業を展開してきた。
主力製品である「エコめがね」は、太陽光発電の発電量の見える化、発電診断などを行えるサービスで、2018年9月時点で、約5万カ所、約1.5GWの発電所への導入実績がある。販売パートナーも約2600社にのぼるという。
他のビジネス展開としては、学校の屋上に太陽光発電設備を無償設置する事業を推進中だ。この事業で自治体は、屋上利用料などを得られるだけでなく、災害時の避難所の自立電源を確保できるといったメリットがある。採用する学校数も増えており、2018年10月末現在で大阪市内の230校をはじめ宮崎県都城市で50校、愛知県みよしの市19校、宮崎県小林市20校、福岡県みやま市20校など、合計339校に達している。
公民館や公園駐車場などの公共施設に、太陽光発電設備を用いた電力小売事業である「PPAモデル」として、太陽光発電(PV)付きのカーポートを無償設置する「カーポートPPA」の展開も順調に推移している。自治体はPV付きカーポートを採用することで、災害時には避難所の自立電源として利用でき、固定資産税・土地賃借料などの収入増が見込めるなどのメリットがある。設置を決定する自治体も増加。2018年9月末で、広島県世羅町(設置件数3件、パネル容量22kW)、愛媛県今治市(2件、17kW)、福岡県糸田町(2件、17kW)、福岡県粕谷南部消防組合(2件、13kW)、熊本県小国町(14件、108kW)、佐賀県みやき町(14件、113kW)の合計6自治体・団体の37件、パネル容量290kWにおよぶ。
同社は2016年度の第I期から家庭用蓄電池のリソースアグリゲーターとして、経産省が実施する「VPP(バーチャルパワープラント)構築実証事業」に参画している。2018年度(第III期)はアグリゲーションコーディネーター(送配電)からの指示に対し、より精度を向上させた蓄電池制御を実証中だ。
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