太陽光のコスト削減策として注目、各社が1500V対応の「分散パワコン」を日本市場へスマートエネルギーWeek2019(1/2 ページ)

太陽光発電所のコスト削減策として、日本でも入力電圧1500V(ボルト)対応機器の採用に注目が集まりつつある。「スマートエネルギーWeek2019」ではこうしたトレンドに合わせて、パワコンメーカー各社が1500V対応の新型モデルを披露。各社ともに分散設置に対応するパワコンを展示した。

» 2019年03月06日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 太陽光発電所のシステム費用削減に貢献するとして、入力電圧1500V(ボルト)対応機器の導入に注目が集まっている。直流回路の高電圧化することで、ストリングに接続する太陽光パネルの枚数を増やせるようになり、接続箱の数や配線などを削減できるメリットが生まれるからだ。あるメーカーの担当者は「日本でも1500Vに対応する接続箱などの周辺機器がそろい始めた。こうした状況も後押しし、今後1500V対応機器の採用が一気に進むと見ている」と話す。

 2019年2月27日〜3月1日に開催された「スマートエネルギーWeek2019」では、複数のパワコンメーカーがこうした1500V対応の新製品を披露。各社ともに大型のセントラル型ではなく、分散設置を想定した小型の1500V対応モデルを披露していたのが印象的だった。本稿ではその一部を紹介する。

安川電機は150kWのモデルを披露、まずは米国から

 安川電機が展示したのは、出力150kW(キロワット)、最大変換効率98.5%、1MPPT回路を備える三相パワコン。外形寸法は750×975×384mm(ミリ)で、重量は109kg(キログラム)。米国のYaskawa Solectria Solarと共同で開発を進めているもので、2019年中をめどに、まずは米国市場への投入を予定している。

展示した1500V対応のパワーコンディショナー

 1つのストリング当たりに5台(合計750kW)の設置を想定しており、これに合わせた接続箱などの機器も開発する計画だという。米国市場への投入後、日本向けに仕様変更などの調整を行い、2020年春をめどに日本市場に投入する方針だ。

米国向け製品の仕様。国内向け製品は対応温度範囲など、一部仕様を変更する計画
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