UR都市機構は、JR「四谷」駅前で840億円を投じて進めている再開発プロジェクトの名称を「コモレ四谷」に決めた。新宿四谷エリアに、31階建てのオフィスビルを核に、商業施設や教育施設、5000m2にも及ぶ緑地などが誕生する。開業は2019年度内の予定。
UR都市機構は2019年3月27日、JR「四谷」駅前の地区面積2.4ha(ヘクタール)で、建設を進めている再開発の名称を「コモレ四谷」に決定したことを公表した。四谷駅前再開発事業は、公務員宿舎および四谷第三小学校の跡地と隣接地を一体化し、土地の有効高度利用/都市機能の集積を図り、新宿区四谷エリアの新たなランドマークとなることを目指す。
新名称のコモレ四谷は、豊かな緑や広場を持つ大規模複合施設が、「人とつながり、街とつながり、いつでも憩いとにぎわいで溢(あふ)れる施設に成長させたい」という思いを込め、「木漏れ日」+「COMMON(共同、共通)=つながり」による造語で、「CO・MO・RE(コモレ)」にしたという。
計画では、東京都新宿区四谷一丁目50番地外に、地上31階/地下3階(塔屋1階)の鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造/鉄筋コンクリート造)の高さ約145m(メートル)のオフィスビル「YOTSUYA TOWER」と教育施設、公益施設、住宅棟2棟を建設。商業(店舗)部分の「CO・MO・RE Mall」はオフィス、住宅、教育棟の低層部分とする。総延べ床面積は、約13万9600m2(平方メートル)を見込む。基本設計・総合監理は日本設計・三菱地所JV、実施設計と施工は大成建設がそれぞれ担当した。
フロアの構成は、オフィスは3〜30階(専有部分:約5万8900m2)、店舗は地下1階〜2階(専有部分:約5800m2)、住宅2棟60戸が3〜7階(専有部分:約4500m2)、教育施設が3〜7階(専有部分:約3500m2)、公益施設が地下2階〜4階(専有部分:約9500m2)。公益施設には、文化国際交流の拠点機能として、国際交流基金と国際観光振興機構の入居やスポーツもできる多目的施設の導入が予定されている。
他にも敷地内には、北西側に賑わいの核となる約3300m2の広場、駅前側に交流空間として約1000m2の広場を整備。2つの広場をつなぐパサージュを設置する。広場や建築物低層部は、外濠(そとぼり)からの地形の連続性に配慮し、高層部と低層部が一体となって隆起する地形で空へと続くデザインとした。外観は、壁面の分節や建物頂部を非対称にする設計で、建物の位置・形状・外装などの見え方を工夫している。
開発に当たっては、UR都市機構が施行する市街地再開発で初となる“事業パートナー制度”を活用。計画初期段階から三菱地所と、第5メック都市開発SPC(特別目的会社)が事業参画することで、商品企画/事業推進/管理/運営計画などに対する助言や提言を行い、UR都市機構/民間事業者の双方の得意分野が活用された。SPCは、三菱地所、阪急電鉄、太陽生命保険が出資し設立した。
これまでの再開発のスケジュールは、2013年に地区計画の都市計画と事業パートナーを決定、2014年に市街地再開発事業の都市計画決定と施行規程および事業計画の認可、2015年に権利変換計画の認可を経て、2016年9月に着工した。全体の竣工は、2019年度内の見通し。
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