東京電力がGoogleの太陽光発電の試算サービスを日本展開、住所入力だけで経済性を確認太陽光

東京電力ベンチャーズは米Googleが提供している住宅向け太陽光発電の導入試算サービスの“日本版”を発表。住宅の住所を入力するだけで、無料で導入可能なシステム容量や経済性を瞬時に試算できるのが特徴だ。

» 2019年08月06日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 東京電力ホールディングスの100%子会社である東京電力ベンチャーズは、戸建住宅に太陽光発電システムを導入した際の経済性などを試算できる無料サービス「Suncle(サンクル)」の提供を開始した。米Googleが提供する太陽光発電シミュレーション「Google Project Sunroof(以下、Project Sunroof)」の技術を活用したサービスだ。

 Suncleは自宅の住所を入力するだけで、自宅の屋根の日当たり状況や、太陽光発電システムを導入した場合の経済性を確認することができる。屋根の形や大きさ、傾きなどを考慮して試算するため、精度の高い発電量の予測が可能なのが特徴だという。

「Suncle」の利用画面のイメージ

 Suncleのベース技術となっているGoogleのProject Sunroofは、同社が2015年から米国で提供を開始。航空写真から作製した3Dマップから傾きや大きさなども含めた屋根の情報を抽出し、気象データや周辺物の影を考慮して試算した日射量のデータを組み合わせて、太陽光発電を導入した際の発電量を予測する。現在、米国の他、ドイツ、フランス、英国でも提供中だ。

 今回、東京電力ベンチャーズが提供するSuncleは、このProject Sunroofの“日本版”といえるサービスだ。東京電力ベンチャーズが太陽光パネルの変換効率、補助金、電気料金など試算に必要な指標・データのチューニングを行い、日本市場に適したシミュレーション結果を得られるようにした。

 Suncleでは太陽光発電の導入による経済性評価の他、太陽光発電システムの導入を希望するユーザーに対して、東京電力ホールディングスが提携している販売施工会社を無料で最大3社紹介する機能も備えている。その際に、東京電力ベンチャーズは販売施工会社から手数料を受け取る仕組みになっており、これがSuncleのマネタイズとなる。

 東京電力ベンチャーズではこのSuncleを通じて、2020年までに3億円の売上高を目指す方針。これに向け、まず初年度で1万件の利用を目指す方針だ。

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