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» 2019年11月28日 07時00分 公開

電力供給サービス:東京ガスが再エネを10倍に拡大する新中期計画、2030年までに500万kW規模に (1/2)

東京ガスが2030年までの新たな経営ビジョンを発表。2030年までに国内外で取り扱う再生可能エネルギー電源の規模を、現状の約10倍となる500万kWにまで拡大する野心的な目標を掲げた。

[スマートジャパン]

 東京ガスは2019年11月27日、東京都内で会見を開き、新たに策定した2030年までの経営ビジョンについて発表した。将来的に同社グループ全体の事業活動で排出するCO2排出量をネットでゼロにする目標を掲げ、それに向けた取り組みの1つとして、2030年までに国内外で取り扱う再生可能エネルギー電源の規模を、現状の約10倍となる500万kW(キロワット)にまで拡大する方針だ。

 東京ガスではこれまでの長期経営ビジョンにおいて「LNG(天然ガス)バリューチェーンの高度化」を掲げてきた。新たな2030年に向けた経営ビジョンでは、AI(人工知能)やIoTなどのデジタル技術を基軸に、さらなる効率化や高付加価値化などを目指す「LNGバリューチェーンの変革」を核に据える。さらに、LNGバリューチェーンの変革と連動する形で、脱炭素化に向けた「CO2ネット・ゼロ」、新たなサービスやソリューション提供を目指す「『価値共創』のエコシステム構築」を加えた、合計3つのチャレンジを柱とする。

2030年に向けた経営ビジョンを構成する3つの柱 出典:東京ガス

 CO2をネット・ゼロに向けては、顧客に供給するエネルギーも含めて、2030年以降にCO2排出量をネットでゼロにするという野心的な目標を掲げた。この目標に向けて、現在約49万kWの再生可能エネルギー電源の取扱量を、2030年までに500万kWに拡大する。達成すれば、国内でもトップクラスの再生可能エネルギー事業者だ。

 再生可能エネルギー電源は天候による出力変動への対策が課題となる。東京ガスではこうした出力変動への対策として、LNGによるガス発電と再生可能エネルギー電源の組み合わせや、VPP(バーチャルパワープラント)の構築などにも取り組む。さらに、水素製造技術や、CO2の分離回収技術、燃料電池の高効率化など、脱炭素化につながる技術開発にも注力する。2030年以降はこれらの技術を活用し、国内外で再生可能エネルギー電源を活用したCO2フリー水素の製造と利用の社会実装も視野に入れる。

「CO2ネット・ゼロ」に向けた取り組みの内容 出典:東京ガス
会見に登壇した代表取締役社長の内田高史氏

 「東京ガスではこれまでLNGの活用を広げることで石炭火力への依存度を低減し、社会の低炭素化を進めてきたという自負がある。今後もLNGの有効利用による低炭素化は進めていく。だが、さらにその先を見据えるということで、再生可能エネルギー電源の保有量を今までと違うステージにまで引き上げたい。さらに、水素製造やCO2回収など、低炭素化につながる技術開発も進めていく」(東京ガス 代表取締役社長 内田高史氏)

 こうした再生可能エネルギー電源の拡充や、LNGの有効利用の促進、低炭素化につながる技術開発などの取り組みで、2030年までにグループ企業の事業活動おけるCO2排出量を、約1000万トン削減することを目標とする。

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