2019年12月に開催されたアイルランドの世界的ロックバンドU2の来日公演で、福島県の再生可能エネルギーで製造した水素由来の電力を供給するプロジェクトが実施された。日本のロックバンドLUNA SEAやX JAPANのギタリストであるSUGIZO氏が協力し、自身が所有する燃料電池車などを提供している。
トヨタ自動車、本田技研工業、ルール形成戦略研究所、EY Japan、長州産業、ユニファイド・サービスらは、2019年12月4〜5日に開催された、アイルランドの世界的ロックバンドU2の来日公演において、再生可能エネルギーで製造した水素由来の電力を供給したと発表した。
長野県が運用する長州産業製の水素ステーションで、福島復興事業「ふくしまハイドロサプライ」において、再生可能エネルギーから生成された水素を燃料電池車へ充填(じゅうてん)。コンサート会場では燃料電池車から外部給電器を介して取り出したCO2フリーの電力を、U2メンバーの楽器、アンプなどの演奏機材に供給した。
この取り組みは、EY Japanとルール形成戦略研究所が日本での実績を踏まえて提案し、U2が趣旨に賛同、快諾したことで実現したという。
ルール形成戦略研究所の客員研究員で、日本のロックバンドLUNA SEAやX JAPANのギタリストであるSUGIZO氏が「世界的な影響力を持つU2が水素コンサートを実行し、世界に情報発信することで、水素技術を活用したコンサートが世界に拡がることを期待します。また、この注目すべきプロジェクトが水素利活用に多様性をもたらすきっかけを世界に与え、世界規模で低炭素社会の実現が前倒しされていくことを期待します」と語っている。
なお、SUGIZO氏は今回の取り組みにおいて、自身が所有するトヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI(ミライ)」と、可搬型外部給電器「Honda Power Exporter 9000」を提供している。
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