燃料電池市場は2030年に4.5兆円規模に拡大か――富士経済予測蓄電・発電機器

調査会社の富士経済は2020年3月、燃料電池の世界市場に関する予測調査結果を公表。世界の燃料電池市場は2030年度に2018年度比22.6倍の4兆4724億円に拡大すると予測している。

» 2020年04月16日 07時30分 公開
[スマートジャパン]

 調査会社の富士経済は2020年3月、燃料電池の世界市場に関する予測調査結果を発表した。世界の燃料電池市場は2030年度に2018年度比22.6倍の4兆4724億円に拡大すると予測している。

 足元2018年度の市場規模は産業・業務用燃料電池市場の拡大がけん引し、2017年度比12.0%増となった。二大市場である米国と韓国において、導入インセンティブ制度が貢献したという。

 2019年度の市場規模は、引き続き定置用燃料電池の導入拡大と、燃料電池車や燃料電池トラックなどの駆動用の市場が拡大することで、2018年度比27.1%増の2513億円を見込んでいる。

 2025年度以降は、普及が加速し大幅な市場拡大が予想されるとしている。特に主要国では2025年度または2030年度以降の推進目標をまとめたロードマップの策定が進んでおり、低炭素化などに向けたキーデバイスとして燃料電池が位置づけられていることが大きい。市場拡大による燃料電池のコスト低下も同時に加速し、補助金に依存しない市場の形成が進むのもこの時期と予測している。

 現状の市場拡大は定置用燃料電池が中心となっているが、中長期的に大きなけん引役になると予想しているのが、燃料電池車や燃料電池トラック、フォークリフトなどのモビリティ分野だ。

 同調査では燃料電池車用市場について、2019年度は467億円程度と見込まれる市場規模が、2030年度には1兆9031億円に拡大すると予測している。フォークリフトやトラックなどの商用車向けの市場についても、2019年度の533億円が1兆5329億円にまで成長すると見込んでいる。

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