東京ガスが英国の電力小売事業者であるオクトパスエナジーと戦略的提携に合意したと発表。新たに英国に設立する東京ガスユナイテッドキングダム社を通じてオクトパスエナジー社へ約200億円の出資を行い、同社の発行済み株式9.7%を取得。同時に日本国内に合弁会社を設立し、再生可能エネルギーに特化したプランを展開する方針だ。
東京ガスは2020年12月23日、英国の電力小売事業者であるオクトパスエナジーと戦略的提携に合意したと発表した。新たに英国に設立する東京ガスユナイテッドキングダム社を通じてオクトパスエナジー社へ約200億円の出資を行い、同社の発行済み株式9.7%を取得。同時に日本国内に合弁会社を設立し、再生可能エネルギーに特化したプランを展開する方針だ。
オクトパスエナジーは2015年に創業したエネルギーベンチャー。設立から約4年で180万件超の顧客を獲得しており、英国の電力市場のなかでも急成長を遂げている筆頭企業の一つだという。
同社が強みとするのが、「Kraken」と呼ぶ独自開発の電力小売向けのITプラットフォームだ。このプラットフォームにより電力小売業務の効率化し、英国で100%再生可能エネルギー由来の電力を安価に提供することで顧客数を伸ばしているという。また、顧客ごとに最適化された市場連動型の料金プランなど、多様なサービスの提供力も強みとしている。Krakenの契約数は現時点で全世界1700万件で、2027年までに1億契約への拡大を目指している。
既に英国以外にも豪州、ドイツ、米国でも事業を展開しており、今回の東京ガスとの合弁会社の設立は、初のアジア進出となる。事業開始時期は2021年の秋を計画しており、日本においてもKrakenを活用し、再生可能エネルギーに特化したプランを提供していく方針だという。基本的には低圧向けの顧客をターゲットとし、当面は電気料金のみのメニューを展開する方針だ。
東京ガスでは中期計画において2030年までに電力・ガス事業で、2000万件の顧客獲得を目指している。その中で、オクトパスエナジーと設立する合弁会社を通じては、2030年までに数百万件の顧客獲得を目指したい考えだ。
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