ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)について解説する本連載。今回は太陽光発電事業者を対象に実施した、新型コロナウイルスに関する事業への影響調査の結果から、日本の太陽光発電市場の現状分析と展望を考察します。
昨年来の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は、ソーラーシェアリングを含めた再生可能エネルギーの普及にも影を落としています。特に資材調達の面では、中国国内の都市封鎖などによって太陽光パネルや架台などの製造・輸送の停滞が発生し、事業計画に大きな影響を与えました。加えて現在は、世界的な需要の高まりや資材の不足などに起因した製品価格の上昇に直面しています。
今回は、私が専務理事を務める一般社団法人太陽光発電事業者連盟(ASPEn)が実施した、新型コロナウイルス感染症による太陽光発電事業への影響調査の結果から、現状と今後の見通しを整理してみます。
ASPEnでは、2020年2月も太陽光発電事業者向けに新型コロナウイルス感染症の影響調査を行っており、今回は第2回の調査となります。2021年1月21〜30日にかけてWebサイト経由で調査を行い、合計120件の回答をいただきました。
調査で最初にたずねた項目は、新型コロナウイルス感染症による太陽光発電事業への影響を受けたか、それは現在も継続しているのかというものです(図1)。
回答者のうち69.2%が何らかの影響を受けたと回答しており、そのうち87.8%が現在も影響が継続しているとしています。影響がなくなるのは2021年6月以降とする回答が過半数となっていて、40%以上が今後も1年かそれ以上継続すると回答しました。複数回答可としてたずねた個別の具体的な影響を聞く項目では、資材納期の遅れ(51件)が最も多く、次いで工事の遅れ(43件)となりました。
以下で、それぞれについて、さらに詳しく見ていきます。
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