日本損害保険協会が、太陽光発電設備向け火災保険の事故発生状況などに関する調査報告書を公開。近年大きな課題となっている、太陽光発電設備の盗難による保険金は、5年前と比べて約20倍に急増しているという。
日本損害保険協会は2024年2月9日、損害保険会社7社における太陽光発電設備向け火災保険の事故発生状況などに関する調査報告書を公開した。近年大きな課題となっている、太陽光発電設備の盗難による保険金は、5年前と比べて約20倍に急増しているという。
太陽光発電設備に関する保険金(企業向け火災保険)の年度別推移を見ると、2021 年度は4年前と比べて4倍弱の水準となっている。また、特に1億円以上の保険金を支払う大規模な事故の伸びが大きい傾向が伺える。
保険金の約8割は自然災害(雪災、水災、風雹災および落雷)に由来するものとなっており、雪災と水災は、保険金単価が大きく、重大な被害が発生しやすいとしている。
レポートでは、直近の動向として注意すべき点として、盗難による被害の増加を指摘。ケーブルに使われる銅線価格の高騰等を背景として、2021年度から被害額が大きく増加しており、2022年度は5年前と比べて20倍近い保険金が支払われているという。なお、被害は全国的に発生しているが、関東地方北東部を中心とした地域で特に多い傾向があるとしている。
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