今後、諸外国とのさらなる競争激化が見込まれるなか、政府としては、世界に引けを取らない投資の規模とスピードを実現し、「量産技術の確立」「生産体制の整備」「需要の創出」に三位一体で取り組んでいく方針だ。
具体的には、グリーンイノベーション基金による研究開発や大規模実証、生産拠点整備のためのサプライチェーン構築支援などを強化するとともに、明確な導入目標を策定し、事業の予見可能性を高めていく。また、FIT・FIP制度に新区分を設けて民間投資を促進するほか、国・地方自治体の公共施設に率先導入し、国内市場の創出を図っていく。
海外市場を見据えては、「国際標準」の策定にも力を注ぐ。ペロブスカイト太陽電池は開発段階にあり、製品の性能や耐久性などを確認する試験条件やプロトコルが確立されていない。そのため、研究開発と並行して、評価方法の標準化や第三者による確認スキームの構築が求められている。
国際標準化の推進については、2023年4月に札幌で開かれた「G7気候・エネルギー・環境大臣会合」でも合意されており、日本は欧米など有志国との協調関係の構築に取り組んできた。2024年3月には国際標準化等検討委員会を設立し、産業技術総合研究所(AIST)など研究者を中心に、性能評価に関する標準規格の検討を開始している。今後、国際標準化に必要な測定データなどを集約し、IEC規格の標準原案づくりに向けた検討を進めていく。
「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
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