積水化学がペロブスカイト太陽電池を量産へ シャープの工場を取得太陽光

積水化学工業がペロブスカイト太陽電池の量産化を開始すると発表した。まずは2027年に100MW規模の製造ライン稼働を目標に設備投資を進め、2030年には生産体制をGW級まで拡大したい考えだ。

» 2024年12月27日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 積水化学工業は2024年12月26日、ペロブスカイト太陽電池の量産化を開始すると発表した。2027年に100MW規模の製造ライン稼働を目標に設備投資を進め、2030年には生産体制をGW級まで拡大したい考えだ。

積水化学が開発するペロブスカイト太陽電池 出典:積水化学

 同社では2025年の事業化を目指してペロブスカイト太陽電池の開発と実証を進めてきた。このほど一定の技術の確立が確認できたこと、そして2024年12月25日に経済産業省の「GXサプライチェーン構築支援事業」の採択が決定したことを受け、本格的な量産に向けた設備投資を行うことを決めたという。なお、2025年の事業化については現有設備で製造を行う方針だ。

 量産体制の構築に向けては、まず大阪府堺市にあるシャープの本社工場の建物や電源設備、冷却設備などを譲り受け、ペロブスカイト太陽電池の製造設備を導入し、製造と販売を行う。またペロブスカイト太陽電池の設計・製造・販売を行う事を目的とした新会社「積水ソーラーフィルム」を日本政策投資銀行と共同で設立する。

 100MW級の製造ラインの構築に向けた投資総額は、補助金を含めて900億円。1GW級製造ラインまで含めた投資総額は3145億円で、このうち半額は補助金となる予定だ。

 量産開始後、当面は軽量かつフレキシブルであるというペロブスカイト太陽電池の特長を生かし、耐荷重性の低い屋根や、災害時避難所となる体育館などの公共施設をを中心に導入を進めていく考え。その後、量産効果でコストを低減し、民間の工場・倉庫等の屋根・外壁面もターゲットに需要創出を行い、事業拡大を目指す方針だ。

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