脱炭素製品・サービスの需要創出へ 新たな「評価・表示」制度を検討「脱炭素製品等の需要喚起に向けた検討会」(令和8年度第1回)(1/4 ページ)

カーボンニュートラルの実現に向け脱炭素化に貢献する製品・サービスの開発が進む一方、その継続的な需要をどう創出するかが課題となっている。政府ではこの課題に向けた対策として、脱炭素製品・サービスの評価・表示制度の検討を開始した。

» 2026年07月03日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

 2050年カーボンニュートラルの実現には、国内での脱炭素分野への投資と、その結果生み出される脱炭素製品・サービスに対する需要創出の両輪が必要である。しかしながら、脱炭素製品(以下、サービスを含む)の多くは、機能・性能は既存製品と同じでありながら、現時点においては高コストであるため、これらの製品が積極的に選択・購買される状況とはなっていない。

 排出削減価値を有する製品が市場に供給され、積極的に購入されるためには、その製品が有する脱炭素価値が適切に評価され、優先的に選択される仕組みが必要となる。

 このため、環境省は2025年度に「脱炭素製品等の需要喚起に向けた検討会」を設置し、排出削減価値を有する製品の評価・表示スキームに関する検討を行ったが、今年度の検討会ではその具体的な評価基準や運用方法等に関する検討を開始した。

脱炭素製品の「評価・表示」スキームの全体像

 脱炭素製品(以下、サービスを含む)の継続的な需要拡大に向けては、各市場において、以下の2点を進めることで、プレミアムが価格差を上回る状況を実現することが必要と考えられる。

  • A:既存製品と脱炭素製品の間の価格差の最小化
  • B:国内需要家が環境価値に対して支払うプレミアム(追加価格)の最大化

 よって今回の新制度では、まずはプレミアム支払い意志の高い需要家を見出し、サプライチェーンに結びつける「需要の発掘」を行い、中長期的にはプレミアム支払い意志の薄い需要家への普及啓発・教育を通じた「需要の底上げ」を図ることとした。

 ただし、当面の間は「表示」のみで大きなプレミアムを創出することは困難と考えられるため、補助金やグリーン調達等の他政策・制度と連携することにより、コストダウンと初期需要の創出を後押しすることが想定されている。

図1.脱炭素製品のプレミアムとコスト削減 出典:脱炭素製品需要喚起検討会

 また本制度では、脱炭素製品の需要を喚起することでサプライチェーン全体での脱炭素化を推進するという目的に照らし、評価・表示の対象とする製品・サービスとしては、いわゆる「最終製品」を主な対象とするが、中間材も排除されない。

 なお現在、経済産業省では「GX需要創出に向けた研究会」において、GX需要創出に貢献する企業を評価・顕彰するため、GX率先実行宣言を行うプラチナグレード取得企業を公表する制度の具体化を進めている(参考記事:GX製品・サービスの需要創出へ新制度 調達グレードに応じてGX補助金で加点評価)。

 両省の制度の目的は重なるが、経産省では概ねBtoB、環境省ではBtoCというかたちで対象の棲み分けと制度間の協調が図られている。

 また現時点、すべての最終製品を対象とすることは困難であり、実務的負担も大きいため、まずは「供給側で投資/取り組みが進展している製品」や、すでに「算定手法の下地が整っている」素材を用いた製品を今回の対象製品とする。

図2.制度評価対象の考え方 出典:脱炭素製品需要喚起検討会

 本検討会では、脱炭素製品の「評価・表示」制度を主な検討対象とするが、需要家に対する普及啓発やインセンティブ付与については、別途検討を進める予定としている。

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