複合商品の約定量と調達費用の価格帯別の分布は図5のとおりである。前日取引化前において、14円/ΔkW・30分を超える約定量は全体の約6%、調達費用では約35%を占めていた。期間③④には、14円/ΔkW・30分を超える約定量は全体の約3%に低下したが、調達費用では約17%を占めており、上限価格付近の約定が調整力調達コストに与える影響は小さいとは言えない。
市場外での調整力の調達手段の一つとして、「余力」の活用がある。容量市場で落札された調整機能を有する電源の容量提供事業者は、「余力活用に関する契約」を一般送配電事業者と締結する必要があり、発電計画や調整力として確保済みのΔkWを除いた「余力」部分を、一般送配電事業者の指令に応じて上げ/下げの調整力として提供する。
一般送配電事業者からの指令に応じて余力から調整力を提供した場合、一般送配電事業者との間でkWh精算を行うが、ΔkWに関する精算は行われない。
余力活用の費用は電源の限界費用を基に算定されることから、余力の単価と市場での調整力調達単価を比較することで、市場価格の水準を評価する際の参考となる。
余力の平均単価は、これまで複合商品の平均約定単価と比較し低廉であったが、4月は3.01円/kW・30分へと上昇した。これは、中東情勢により燃料費が高騰したことから起動費や限界費用が上昇したことや、一部エリアにおける起動指令の増加に伴う起動費・最低出力費用の増加等、複合的な要因によるものと考えられる。
複合市場の前日取引化により、これまで前日に取引が行われていた三次②と複合市場の取引タイミングが重なることとなった。
相対的に調達率が低く、約定確率が高いと想定される複合市場に応札が流れたことにより、前日取引化以降、三次②の応札量が減少し、不足率が上昇した。また、三次②市場で高値札の約定機会が高まったことにより、平均約定単価も上昇している。
ただし期間④では、応札量の増加や募集量削減の取組等により、不足率・平均約定単価のいずれも低下した。
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