データセンター急増による新たな課題に対応 政府が新たなアクションプラン策定へ第1回「データセンターの立地に関する関係省庁連絡会議」(2/3 ページ)

» 2026年09月18日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

DCの騒音・ばい煙に関する規制

 騒音規制法では、工場・事業場、建設作業から発生する著しい騒音を規制し、生活環境と住民の健康を守ることを定めている。DCの主な騒音源としては、冷却ファンや空調機器のほか、停電時や定期点検時(月1回程度)に稼働させる非常用発電機があり、いずれも一定の防音設計が施されている。

 騒音規制法では、都道府県知事などが指定する地域(指定地域)において、DCに設置される送風機(原動機の定格出力7.5kW以上)は、著しい騒音を発生する施設(特定施設)として規制しており、騒音の規制基準を順守する必要がある。指定地域は、原則、都市計画法の用途地域に準拠して指定されるが、住居の生活環境を保全する必要が認められる場合、用途地域以外の区域に対しても指定が可能である。

 DCでは停電に備え、非常用発電機を設置しており、月1回程度の定期点検時に試運転を行うが、これが「ばい煙」の発生源となっている。

 大気汚染防止法では、発電機(非常用を含む)の規模などに応じてばい煙発生施設として規制しており、設置の届出が必要なほか、都道府県などによる立入検査などの対象となる。ただし、非常用施設は排出基準の適用が猶予されるほか、運転開始時のばい煙は規制対象とはならない。

 JDCCガイドラインでは、法令の基準を満たすだけでなく、周辺環境に配慮した対応を求めており、排気口を高所に設置して排煙が地上に滞留しにくい構造にすることや、周辺住宅に排気が直接向かないよう向きや高さに配慮するなどの措置が必要としている。

 騒音規制法や大気汚染防止法を所管する環境省では、DCによる生活環境への影響に関する懸念が生じていることを踏まえ、自治体や業界団体へのヒアリングなどを実施し、自治体と連携のうえ、騒音、ばい煙、排熱についての実態や対策の実施状況を把握する予定としている。

 また、DCの電力使用によるCO2間接排出量は、年間800〜900万トンと推計されている。環境省では、DCの電力消費量の低減と使用電力の脱炭素化に向けた実証事業を進めている。

消防法令上のDCの取り扱い

 大規模DCは一般的に、消防法令上の「通信機器室」に該当するため、感電、水による損傷(水損)などの二次災害のおそれのあるものとして、ガス系の消火設備などの設置が義務付けられている。

 またDCには、非常用発電機用の重油タンクのほか、大量のリチウムイオン蓄電池が設置されている。リチウムイオン蓄電池は、内部の電解液が消防法上の危険物(引火性液体)に該当し、各リチウムイオン蓄電池の電解液の量を合算し、その量が一定量(1kL)以上になる場合には、消防法令上の危険物施設として、追加的な安全対策(施設周囲の空地、建物の構造規制、消火設備など)が求められる。

 ただし、一定の耐火性を有した箱にリチウムイオン蓄電池を収納した場合(図2右)、電解液量の合算は行わず、一つの箱内のリチウムイオン蓄電池の電解液量で判断することとしている。

図2.DCで使用するリチウムイオン蓄電池 出典:DC立地関係省庁連絡会議

 消防庁では今後、DCに設置される大量のリチウムイオン蓄電池について、日本の都市構造・人口密度・消防体制・建築環境などの特性を踏まえ、国際的な基準であるUL(米国保険業者安全試験所)9540Aとの整合性を確保しつつ、当該基準に適合した試験手順及び合格基準によってリチウムイオン蓄電池の安全性を確認した場合には、合算除外ができるよう規制緩和を行う予定としている。

 また、大量のリチウムイオン蓄電池を設置するDCの、火災における水消火設備の有効性及び感電・水損などの二次災害に対する安全性について検討を行い、水消火設備の設置が可能となるよう、規制の見直しを行う予定としている。

 また、建築基準法では、消防法に定める危険物の指定数量に応じて、用途地域ごとに貯蔵量の上限を規定している。消防法によるリチウムイオン蓄電池の合算除外の検討と並行し、建築基準法上の貯蔵量制限の適用除外の検討に着手し、速やかに所要の措置を講ずる予定としている。

 また、建築基準法では、火災時に発生する煙・ガスを有効に屋外へと排出し、建築物内部の人を安全に避難させるため、建築物の用途・規模などに応じて、排煙設備の設置を規定している。消防法による水消火設備を設置可能とする検討と並行し、火災時に発生し得る有毒ガス・煙のリスク及び避難などの観点も考慮した上で、排煙設備の設置が免除されるよう、所要の措置を講ずる予定としている。

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