計算例として、東京都建築物環境報告書制度において、年間600棟の住宅を都内で供給するA社の太陽光発電設置義務量(再エネ設置基準)が1,020kWである(※算定除外棟数0棟、都内一律の算定基準率85%を使用)と仮定する(参考記事:東京都の太陽光発電“設置義務化”を完全解説、「建築物環境報告書制度」のポイント)。
A社は実際には、新築住宅などに合計1,700kWの太陽光発電設備を設置したと仮定する。ここで、分子を義務量(再エネ設置基準)1,020kW、分母を建築物環境報告書に記載した設置容量1,700kWとして計算すると、「義務基準配分係数」60%が導き出せる。
ここで図4のように、住宅(中小規模建築物)ごとに義務基準相当量を配分(設定)する。A社全体としての義務基準配分係数は60%であるので、例えば建築物1では実際の設備容量4kWのうち、義務基準相当量は2.4kWと見なされる。そして、実際の設備容量4kWのうち、義務基準相当量2.4kWを超過する1.6kWが建築物1におけるJ-クレジット申請可能量となる。あとは、これをA社全体の建築物で足し上げるだけである。ただし、建築物4のように実際の設備容量が義務基準相当量を下回ることもあるため、この場合は、J-クレジット申請不可となる。
なお、東京都制度において代替措置を利用する場合、新築住宅などだけでは太陽光発電設置量が不足していることを意味するため、新築住宅などでの追加性は無いと判断される。
代替措置として既築住宅などに新設した太陽光発電設備については、新築住宅などでの義務基準不足量を分子に、既築住宅などへの総設置容量を分母として義務基準配分係数を算出し、各住宅などでの実際の設備容量(建築物環境報告書に記載した設置容量)に乗じた値を義務基準相当量とする。
住宅などの建築物供給事業者、J-クレジット申請事業者(主にプログラム型プロジェクト運営・管理者)、東京都、J-クレジット審査機関の間における確認のフローは図5のとおりである。東京都で2回確認が必要であるなど、やや東京都の負担が大きいフローとなっている。
今回の運用フローは、まずは東京都制度を想定したものであるが、他の自治体における同様の制度についても、義務超過量を特定する方法・体制、運用フローが整備されていることを要件としている。
今後、国はパブリックコメントを実施し、速やかにJ-クレジット制度文書の改定を行う予定としている。
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