日本ブランド戦略研究所は9月21日、国内有力企業約250社のWebサイトについて金銭価値を算出した「Web Equity2004」を発表した。
これによると、もっともWebサイト価値が大きいのはトヨタ自動車で985億円、次いで、マイクロソフト(935億円)、3位全日本空輸(859億円)、デル(846億円)、日本航空システム(634億円)という結果になった。
トヨタ自動車の985億円というWebサイト価値の内訳は、727億円が売上に貢献している「売上価値」で、情報発信効果をあらわす「情報価値」は約258億円だった。また、売上価値のうち大半の690億円が間接売上価値となる。これは、インターネットで商品の情報を発信し、それが店舗(ディーラー)などでの売上につながることによる価値だという。
2位のマイクロソフトは、情報価値が362億円で250社中でトップだったが、売上価値は567億円で4位となるため、合計ではトヨタ自動車に及ばなかったとしている。
全日本空輸は、売上価値で見た場合、755億円と250社中で1位だった。これは、航空チケットのインターネット予約・販売が急速に普及しており、直接売上価値が595億円と大きいのが要因になっている。
4位のデルは、直接売上価値536億円でANAに続いて2位だった。
日本航空システムも、航空チケットによる直接売上価値が437億円とWebサイト価値の7割を占めているが、JASとの合併により粗利益率低下で全日本空輸を下回る結果となった。
また、日本における企業ドメインおよび汎用ドメインの合計数が約50万であることから、現在のWebサイトを運営している企業が約50万社あると推定すれば、そのWeb価値の総額は約7兆7000億円になるという。
同調査では、「企業のWebサイトが企業にどれだけの利益をもたらしているか」という観点から測定を実施しており、企業の売り上げの中でWebサイトが関与している比率を消費者調査などから明らかにし、それに国内粗利益をかけて「売上価値」を算出している。また、Webサイトのアクセス率やメールマガジン購読数などの情報発信力を、他の手段で代替した場合のコストをもとに「情報価値」を算出し、これらの合計を「Webサイト価値」と表現している。
Web Equity2004・Webサイト価値ランキング(単位:百万円)
順位(昨年) | 企業名 | 業種 | Webサイト価値(百万円) |
---|---|---|---|
1(1) | トヨタ自動車 | 輸送機器 | 98,529 |
2(33) | マイクロソフト | 情報・通信 | 93,458 |
3(14) | 全日本空輸 | 運輸・レジャー | 85,946 |
4(−) | デル | 電子・電機 | 84,605 |
5(10) | 日本航空システム | 運輸・レジャー | 63,435 |
6(−) | NTTドコモ | 情報・通信 | 57,078 |
7(6) | 松下電器産業 | 電子・電機 | 54,653 |
8(7) | ソニー | 電子・電機 | 54,385 |
9(4) | NEC | 電子・電機 | 53,386 |
10(−) | 新生銀行 | 金融 | 52,557 |
11(3) | 日産自動車 | 輸送機器 | 52,117 |
12(9) | ホンダ | 輸送機器 | 49,904 |
13(40) | 野村ホールディングス | 金融 | 43,899 |
14(13) | 東芝 | 電子・電機 | 39,673 |
15(8) | 富士通 | 電子・電機 | 39,425 |
16(2) | NTT東日本 | 情報・通信 | 39,023 |
17(−) | 大和証券グループ本社 | 金融 | 39,001 |
18(−) | KDDI | 情報・通信 | 37,268 |
19(−) | オリックス | 金融 | 36,859 |
20(12) | JR東日本 | 運輸・レジャー | 36,755 |
(昨年順位で(−)となっている企業は、昨年は測定対象外の企業)
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