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ネットは「リアルのきずな」を強くする――Pew調査

» 2006年01月26日 15時08分 公開
[ITmedia]

 「ネットばかりやっていると人付き合いができなくなる」――こんな懸念を持つ人もいるが、その心配は無用かもしれない。

 米調査団体Pew Internet & American Life Projectが発表した調査結果によると、インターネットと電子メールは、人々のオフライン世界での社会的な結びつきを強めるという。

 Pewは2200人の米国民のインターネット利用を調査し、「The Strength of Internet Ties」と題した調査報告書にまとめた。

 この報告書には、インターネットは直接の対面や電話での接触とシームレスに合致し、人々はインターネットの助けを借りて、かなり大きな社会ネットワーク――たとえその中の多くの人が近くに住んでいなくても――と積極的に関わり続けていけると記されている。

 「人脈ネットワークが大きく、広く、多様になるほど、電子メールは重要になる」と報告書の執筆に参加したトロント大学の社会学者ジェフリー・ボーズ氏は語る。「すべての友人に頻繁に電話をかけたり、会いに行ったりすることはできないが、ちょっとキーを打つだけで定期的に友人に『cc』できる。これが非常に重要だと分かった」

 インターネットの大きなメリットの1つは、問題や重大な決定に直面したときに、人脈を活用できることだという。Pewの調査では、ネットユーザーは非ネットユーザーよりも、重要なイベントに直面したときに人脈ネットワークの中で支援を受ける傾向が高かった。

 また一部のユーザーは、人生において決定を下すときや節目に立ったときに情報を入手したり、選択肢を比較するためにインターネットを利用していることも示された。米ネットユーザーの45%以上が、インターネットが過去2年間、1回以上の重大な決断において重要な役割を果たしたと回答した。2002年初めに行われた同様の調査よりも33%増えた。

 回答者は、主に以下のような場合にインターネットが重要な役割を果たしたと答えた。

  • 仕事のためのトレーニングを受ける
  • 大病にかかった人を支援する
  • 自分あるいは子どもの学校を選ぶ
  • 車を購入する
  • 投資や金銭的な決定をする
  • 新しい家を見つける
  • 転職する
  • 病気や健康状態に対処する

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