「Yahoo!は衰退資産」――MicrosoftがYahoo!から手を引いた理由
「Yahoo!は衰退資産だ」とMicrosoftのクリス・リデルCFO(最高財務責任者)は言った。
クリスは7月24日、金融アナリスト向け説明会でこの発言を行った。これに先立ち同日、Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは「そのことで話をしたが、うまくいかなかった。結構。これで終わりだ。われわれは先に進める」と述べている。
クリスとスティーブの発言は、Yahoo!買収について対照的ながら補完的な見方を表している。とらえ方が対照的なのは、単純に見る角度が違うからだ。CEOは経営者の視点で、CFOは金融アナリストの視点でとらえている。
Microsoftは2月1日、Yahoo!を446億ドル(1株31ドル)で買収する一方的な提案を行った。当時、Yahoo!株は20ドル前後で取引されていた。
クリスによると、Microsoftが「相当寛大な提案」を行ったのは「スピード」が前提だったが、「時間が経過し、価値が減退して事情が変わった」。経済的に見るとこの取引はもはや意味がなくなったと同氏は言い、「経済的に正当化できる理由が必要だ」と話した。
スティーブのYahoo!に関する発言は、この見方を補うものだった。「なぜYahoo!を買収しないのかって? Yahoo!を買収するにしても、検索で提携するにしても、合併に伴う莫大な経費が掛かることは避けられなかった。この選択肢を検討するに当たり、常にその帳尻は計算していた。率直に言って、Yahoo!買収という大きな課題がなければ、検索・広告モデルを再編する上で、われわれはもっと柔軟に対応できる」
つまりスティーブが言っているのはこういうことだ。「メリットがあればMicrosoftは合併が正しいと言えた。しかしYahoo!が冷たくした」
最後の質疑応答で、あるアナリストは交渉決裂に至るまでの日数を整理しようとし、5月の13日間だけだったように自分には見えたがと質問した。
これに対しスティーブは「交渉がストップした。われわれはあの会社のCEOと話し合ったが合意に至らなかった。われわれは先に進んだ」と強調、「期限が過ぎた」と話した。
クリスは、Microsoftが買収を提案した時点で、交渉が5月にまでずれ込むとは自分は思っていなかったと打ち明けた。「3月ごろだったら良かったのだが」
スティーブは、2月に持ち掛けた好条件の提案について、5月まで本格的な交渉が行われなかったのは「少しばかりおかしい」と話した。
クリスは基本方針の説明で、完全買収の可能性は「基本的にごくわずか」だが、「検索事業を何らかの形で取得する可能性はまだある」と述べている。
スティーブが「衰退資産」を切り捨てたことは、ある意味、笑える。明らかにYahoo!は均衡を崩し、恐らくMicrosoftから見れば、Googleとの検索提携でGoogleの手に落ちた。「検索と広告は2社の一騎打ち」、つまりGoogleとMicrosoftの戦いだとスティーブは言った。
Microsoftは2008年度に24件の買収を行っている。Yahoo!は25番目になるはずだった。買収額の平均は4500万ドルだった。
「当社は買収を成長加速の基本的手段と見なしている」とクリスは説明している。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
防衛省の「クーラー300台」投稿動画でビックカメラのトラックが注目を集める 同社「販売用の在庫を迅速に提供」
-
2
ドコモ、ahamoを30→40GBに増量 8月1日から 料金据え置きの新キャンペーン
-
3
ソニー、タムロン買収提案の狙いを説明 「イメージング事業の発展につながる」
-
4
セブン&アイ、共通会員IDのPayPay統合を正式発表 ソフトバンクや三井住友カードなどが計3000億円出資
-
5
一般消費者が「空調服」と書いたら商標権侵害? 公式Xの注意喚起が波紋、弁理士の見解は
-
6
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
7
「文スト」スマホゲーム、きょう告知→あす終了 突然のサ終にユーザー混乱 運営元の廃業で
-
8
タカラトミー、デュエマアプリで個人情報漏えいか 最大15万5000人分 氏名や住所など閲覧の恐れ
-
9
「楽天ドライブ」アプリから「データ漏洩」「ハッキングした」通知? 運営元「緊急調査中」「通知を開かないで」
-
10
「不気味の谷を越えた」? 中国の美男美女型ロボット「U1」話題 286万円から
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR