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MicrosoftのバルマーCEOから、12個のクリスマスプレゼント(2/2 ページ)

» 2008年12月25日 16時55分 公開
[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK
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5. BlackBerryとiPhone

 「ものを分けるときは公平に」という言い方があるが、Microsoftは今年、モバイル市場で多くのシェアを他社に譲った。バルマー氏の懸命なWindows Mobile戦略にもかかわらず、Windows Mobileは出荷台数でカナダのResearch In Motion(RIM)に2位の座、Appleに3位の座を許した。うわさが本当ならば、もしかするとMicrosoftは2009年に向けてひそかにZune携帯やZuneソフトウェアを準備中なのかもしれない。ただし2008年に関していえば、シェアは平等に分配された。

6. 欧州連合

 バルマー氏は欧州諸国には札束を送った。しかも、これは2度目のこと。欧州連合は今年2月、Microsoftに対して8億9900万ユーロ(約13億5000万ドル)の制裁金の支払いを命じ、この決定により、バルマー氏が欧州諸国に支払う制裁金の総額は約25億ドルに達した。やれやれ、これで欧州の経済はかなり潤ったはずだ。だが待てよ、本当にそんなことが? Microsoftは今年5月、この制裁金の取り消しを求めて控訴している。

7. Live Search

 払い戻しと言えば、バルマー氏はMicrosoftの検索サービスを利用してくれる忠実な顧客に何かを与えるべきだと判断したようだ。Live Search Cashbackプログラムは、同社の検索サービスを利用して製品を購入したユーザーにキャッシュバックを行うというもの。キャッシュバックの額が少ないなどと誰が言おう? 何しろ、Microsoftは何ら見返りを得ることなく、与えてばかりなのだ。comScoreによると、11月にはMicrosoftの検索シェアは縮小している。そう、Microsoftはキャッシュバックを与えたにもかかわらず、検索シェアは増えなかった。これこそ、クリスマスの精神だ!

8. ビル・ゲイツ氏

 6月後半、バルマー氏はMicrosoftの会長を世界の人々に譲り渡した。ゲイツ氏にセミリタイアを認め、同氏が自分の時間の80%を慈善事業に充てられるようにしたのだ。このタイミングが、ちょうど世界経済が大きく悪化しようという、まさに重要な転換期であったことを誰が想像できただろう? ねえ、スティーブ、どうだろう? ゲイツ氏にWikipediaに少しお金を寄付するよう頼んでみては? わたしが先日Wikipediaにアクセスしてみたところ、創設者のジミー・ウェールズ氏から直々に寄付を募られた。まあ、これは既にほかにも1000件ほどの慈善団体がゲイツ氏に寄付を頼んでいなければの話だが。

9. ジェリー・サインフェルド

 リッチなセレブはもうお金など必要ないのだろう。それはわたしも分かっている。だがこれほど気前がいい話は無視できない。報道によると、Microsoftは3つのテレビCMへの出演料としてこのコメディアンに1000万ドルを支払ったという。待てよ、本当の意味でプレゼントをもらったのはビル・ゲイツ氏だったのでは? ゲイツ氏はジェリーと一緒にCMに出演し、このコメディアンの求めに応じて尻を振るという恩恵にあずかったのだから。OK、このプレゼントはこれまでで最もクールな退職プレゼントだったのだと思うことにしよう。

10. 米国の独禁法違反当局

 自分がそうだから人のことも分かるのだろう、という意味で使う言葉があったような。そう、「あなたに言われたくないよ」だ。バルマー氏は独占企業であること、そしてそのために有罪判決を受けることについて、多くを知っている。だからこそ、同氏は第3四半期中、ワイントンD.C.でのロビー活動に190万ドルもの資金を投じ、Googleの独占状態が進む危険性を司法省に分からせようとしたのだ。このロビー活動のおかげで、司法省の弁護士らは、シャーマン独占禁止法違反でGoogleを訴えるべき状況が近いことを十分に理解した。だがGoogleは結局、Yahoo!に検索サービスを提供する計画を断念した。

11. 「わたしはPCです!」

 バルマー氏はWindowsユーザーにWindows抜きのアイデンティティーを与えた。話題を集めたAppleのCMキャンペーン「Get a Mac」に対抗し、MicrosoftもCMを打ち出した。AppleのCMは、2人の俳優が「こんにちは、わたしはMacです。そしてわたしはパソコンです」と言うところから始まるが、一方のMicrosoftはCMで実在の人物にそれぞれ「わたしはパソコンです!」と叫ばせている。Windowsが一切宣伝されていない「わたしはパソコンです!」というCMを見て、誰がWindowsを欲しいなどと思うだろう。すごいぞ、スティーブ。

12. Windows Vista Capable訴訟

 与えることには、つらい犠牲も付き物だ。「Windows Vista Capable」というロゴの使用をめぐる訴訟において、バルマー氏は関連メールの公開をめぐり、連邦地裁の判事に証言を命じられた。Microsoft幹部とIntel幹部の間でやりとりされたメールは、ブロガーや新聞雑誌記者らに多くのネタを提供した。陰謀説を唱える向きには、憶測や中傷の格好の呼び水となった。また一方では、このメール開示はあらゆるゴシップ好きを楽しませた。バルマー氏の最高のプレゼントはまだ公開されていない。先月遅く、判事はバルマー氏に対し、原告側からの尋問に宣誓の上で証言するよう命じている。スティーブ、あなたはわれわれにもっとドラマを見せてくれるのだろうか?

 結論としては、わたしはサンタさんにこう頼むべきだろう。サンタさん、今年はバルマー氏にご褒美を与えてくれませんか? バルマー氏は多くを与えてくれた。それでも、Microsoftにはいろいろ悪いことが起きた。サンタさん、今年はデトロイトの子供たちには石炭を配らないでおいてはいかがだろう?

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