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Windows 7の価格はなぜややこしいのだろうか(2/2 ページ)

» 2009年07月13日 07時30分 公開
[Don Reisinger,eWEEK]
eWEEK
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 物事を分かりやすくすることの何がそんなに悪いのだろう? おそらく、Windows 7の開発に多大な時間を投じてきたMicrosoftにとっては(複雑にする)意味があるのだろう。しかしほかの皆にとっては、同社の価格モデルは意味がない。平均的な消費者が店にWindows 7を買いに行くときには、自分にふさわしいエディションを選べるよう情報を身につけていく必要があるだろう。そうでないと、店頭でアップグレード版にするか通常版にするかを決めることになる。それから、どのエディションにするかを決めなければならない。各エディションに違いをよく知らなければ、問題が起きるかもしれない。専任のITスタッフがいない小規模企業についても同じことが言えるだろう。

 9月に新版OSを投入するAppleは、価格を分かりやすくしている。LeopardをSnow Leopardにアップグレードしたい場合は、29ドル払えばいい。5台までインストールできるファミリーパックは49ドルだ。確かに、Snow LeopardはWindows 7のような完全に新しいOSというよりはアップデート版だが、それでもわたしの主張を実証していると思う。感心なことに、Appleは、利益を出しつつも顧客を混乱させないOS価格戦略を維持してきた。顧客は店に行って、Snow Leopardを注文するだけでいい。

 Microsoftに有利に働いているのは、OSを単体で買う人の数だ。Windowsエコシステムでは、そのような人は比較的少ない。コンシューマーでも企業ユーザーでも、ほとんどはOSがプリインストールされたコンピュータをメーカーから購入する。そのおかげで、Microsoftは価格モデルへの批判をかわしてこられた。今度もまたそうなるだろう。

 ともかく、価格が違うWindows 7のエディションを幾つも出すというMicrosoftの決定は間違いだ。便利度の違う複数のエディションを出す代わりに、全部入りのエディションを1つだけ販売するべきだ。Netbook向けには、(低スペックマシンでも)軽快に動作するようにStarterエディションを提供してもいい。そうすれば、MicrosoftはWindowsに高い値段を付けると同時に、ユーザーが本当に望むもの――非常に高機能なOS――を提供することができる。

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