講義ノートの取り方と復習のコツGeek to Live

以前にも紹介したコーネル大学式ノート作成法。その実践と、これを使った勉強方法を紹介する。(Lifehacker)

» 2006年10月23日 00時25分 公開
[Gina TrapaniLifehacker]
LifeHacker

 ノートの書き写しは、テスト前の勉強法の中でも時間のかかる方法だ。しかし学生時代を振り返ると、筆者にとって本当に有効な学習方法は唯一これだけだった。今秋、8年ぶりに学生に戻って講義を受けることになった。来週にはノートにペンを走らせているはずの筆者だが、今度こそ完璧な戦略で臨むつもりだ。「コーネル大学式ノート作成法」を正しく実践するのだ。

 コーネル式については、過去にもこの記事(7月24日の記事参照)ここで取り上げたが、今回は、学期を通して――書き写しすることなく――学習・参照がスムーズに行えるノートの取り方について詳しく見ていこう。

コーネル式にページをレイアウト

 コーネル式にのっとり、以下のようにノートを3つの領域に分割する。

 ノート欄(右)には、受講中に講義の内容を書き取る。短文や単語で、後に自分が必要とするであろうファクトを書き取っていく。必要のない言葉はすべて省略する。箇条書きにすれば、後で簡単に拾い読みできる。可能な限り(読みやすさを損なわない程度に)略記しよう。常用する略字を決めておくといい。「for example(例えば)」は「ex」、「very(非常に)」は「v」、「though(〜にもかかわらず)」は「tho」、「first、second」(第一に、第二に)は「1st、2nd」というように。一般的な略記一覧を参考に、要点をできるだけ速く書き留められるようにしよう。最後に、要点と要点の間、段落間には空白を残し、後から関連事項を書き加えられるようにしておこう。

 キュー欄(左)は、授業の後に書き込む。ノートを読み返し、ちょっとした質問事項や記憶の手掛かりとなることを、この縦長の欄に書き入れていく。ノート欄に書き留めた考えをつなぎ合わせるのに役立つような情報を残そう。キュー欄を見ればノート欄に書き込んだ重要ファクトが思い出せるように心掛けながらキュー(手掛かり)を作っていく。

 サマリー欄(下)も授業の後に使う。キューを作成しながら、主体となる考えを要約するように、ノート欄にある事項を1行か2行にまとめてページ下欄に書き込む。後にノートをざっと読み返して情報を探すようなときは、このサマリー欄を使う。

 以下のリンクにコーネル式で作成したノートの一例を挙げる。安易だがテンプル大学のページから借用した。

コーネル式ノートによる復習

 コーネル式ノート作成法の考案者であるウォルター・パウクは、このノートを使った6段階学習法の概略を示した。ブリガム・ヤング大学(BYU)のサイトでは、これを6つのR――Record(記録)、Reduce(短縮)、Recite(暗誦)、Reflect(思案)、Review(復習)、Recapitulate(要約)――に分類している。各ステップは一読の価値があるが、個人的には、このシステムはもっと簡略化できると思う。

 端的にいうと、授業に出てノート欄を埋めたら、その日の晩に復習し、キュー欄とサマリー欄を埋めること。テスト前になったらノートを読み返す。自分で自分に質問を出すべく、右側を隠しながら左側のキュー欄を使って記憶を呼び起こし、頭の中で事実説明を再構築する。紙があれば、各ページのサマリー欄に目を通し、関連ファクトを見つけて紙に列記していく。

 基本的に、一字一句書き留めるのではなくコーネル式ノート方式を採用するということは、テストが近付いてようやく手を付けるのではなく、授業を受けたそばから自分の手で学習ガイドを作っていくことなのだ。

コーネル式ノート紙を印刷するツール

 定規を使い、ペンやエンピツで領域を分ける煩わしさから逃れたい人のために、コーネル式に書式化されたページを印刷できるテンプレートやツールが存在する。お薦めを2つ紹介しよう。

  • The Cornell Method PDF Generatorは、コーネル式に分割された(罫線なし、罫線あり、グラフ紙状の)プリンタブルPDFを生成できるツール。オプションで氏名、日付、講義名、バインダー用に最大4つのパンチ穴を入れることができる。グレーからブラックまで罫線の濃淡を選択可能。
  • Cornell Word Templatesは、Microsoft Wordでノートを取る学生にうってつけのページ。コーネル式のWordテンプレートを作成する方法と、個々の必要に応じてカスタマイズできるサンプルを提供している。

 皆さんは今学期、どのようにノートを作成しているだろう? コーネル式を使ってみて、良かった点、悪かった点など、意見を寄せてほしい。

本稿筆者ジーナ・トラパーニはLifehackerのエディター。目下、授業に備えてエンピツを研いでいる。Lifehacker上で毎週水曜と金曜にGeek to Liveコラム(RSS)を連載中。

この記事は、Lifehackerの発行元である米Gawker Mediaの許可を得て、アイティメディア株式会社が翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。

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