Xactiで悩んだインターレースの壁Biz.ID Weekly Top10

先日、三洋電機のデジタルムービーカメラ「Xacti」を購入した。小さくて便利だし、動画形式もMPEG-4 AVC/H.264だから取り回しも楽なはずと安易に考えていたのだが――。

» 2007年12月26日 16時59分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 先週のアクセスランキングトップは、JavaScriptとAjaxのスペシャリスト・amachangさん。「吠えるだけじゃなくて、行動しなくちゃ」というタイトルにも表れているように、積極的な行動力で運命を切り開いてきた。山口さんという良きメンターに恵まれたのも、この行動力の賜物かもしれない。

 このほかの記事で気になったのは、5位にランキングした「あまり走らないんでしょ?」と思いながらエコカーに乗ってきた。普段あまり乗る機会のないエコカーに乗車した記事である。撮影した動画を見ると、走り心地もよさそうだ。

 さて、動画といえば筆者は最近、三洋電機のデジタルムービーカメラ「Xacti DMX-HD1000」を購入した。スキーシーズンということもあり、すっかりなまってしまったスキーのトレーニングを動画で撮影して、あとからチェックしようと思ったからだ(もちろん、仕事にも使う)。

 スキーの撮影に向いているカメラの条件は、持ち歩きに便利な小型であること、故障しにくいタイプであること、近づいてくる被写体を狙うため、手ブレ補正のほか、できれば倍率の高い光学ズームを装備していることだ。その点、DMX-HD1000はスキーウェアのポケットに入るぐらいに小型で、記録媒体がSDカードで、少なくともDVテープやDVDなどでは発生したドライブ周りの故障もない。しかも手ブレ補正に加え10倍光学ズームと、現状では文句のないスペックだ。

 むしろ、最大1920×1080ピクセル(フルHDモード、1080i)での撮影解像度はオーバースペックに覚えたほど。それでも「大きかったら小さくすればいいや。MPEG-4 AVC/H.264だからそれほど難しくないはず」ぐらいに高をくくっていた。

 ところが、実際に撮影したフルHD動画をQuickTimeで見ようとしても見られないのである。付属ソフトでは映るが、友人宅などのPCでも見たい。でもQuickTimeでは、銀色の世界を撮影したはずなのに、画面は一面の緑のまま。それならば解像度やファイル形式を変えてみようと付属の編集ソフトを使うも、PCのスペックが低い(CPU:AMD Athlon 64 3700+、メインメモリ:1Gバイト、OS:Windows XP SP2)からか、5分の映像を違う形式に書き出すのに1時間以上もかかってしまった。

Xactiのディスプレイ上ではこんな風に見える動画も
QuickTimeではこんなふうに見えてしまう

 そこで閃いた。ネット上にはこれだけ動画共有サイトがあって、H.264に対応しているサイトも少なくない。まずは動画共有サイトにアップロードしてしまえばいいのではないか――と。われながらいいアイデアと思い、YouTubeやニコニコ動画、eyeVio、Voxなどにどんどん投稿してみたのだ。

 結果からいうと、ちゃんと動画を見られたサイトはなかった。動画のYouTubeやニコニコ動画では、アップロードこそ終了するが動画を再生できなかった。eyeVioでは動画のアップロード手順に最中にエラーが発生してしまったようである。その後、eyeVioからは「XactiのフルHDには対応していない」とのコメントもいただいた。

 なぜH.264という形式なのに再生できないんだと三洋電機に確認すると、答えはあっさり。「インターレースだからだと思います」。確かにDMX-HD1000のフルHDモードはテレビなどと同じインターレース方式だ。プログレッシブ表示のPCディスプレイなどで表示するには、インターレースをプログレッシブに変える、いわゆるi/p変換が必要で、この処理の負荷が高いのだという。

 もちろん、SDモードや720p、480pなどで撮影すればいいのだがせっかく1080iで撮れるのに編集が難しかったり、動画共有がうまくいかないのは残念。三洋電機によれば、QuickTimeなどのソフトや動画共有サイトに対して、1080iに対応してもらうよう交渉しているという。すでに購入してしまった筆者として、この交渉がうまくいくことを祈りたい。

 1080i対応の後は、当然1080p対応のビデオカメラが出てくるはず。そうすれば、PC上での再生はもうちょっと楽になるかもしれない。今ビデオカメラを買おうか迷っている人で、撮影した動画のデータをPCで編集したい人は、しばし様子を見てもいいだろう。

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