第4回 教える仕事は「構造・シナリオ・アクション」で完結する新入社員がやってくる──専門知識を教える技術(1/5 ページ)

「退屈な、あまりに退屈な……」。いくつかの講義ビデオを見た筆者の感想です。これらビデオに共通した問題点と、それらの解決方法を考えてみましょう。

» 2008年03月13日 11時53分 公開
[開米瑞浩,ITmedia]

 2008年はこの「専門知識を教える技術」を自分のメインテーマとしている関係で、いくつかの大学教授の講義ビデオを見てみたことがあります。

 しかし、そこで感じたのが、

  • 退屈な、あまりに退屈な……

 というものでした。まあ考えてみれば当たり前なのでしょう。昔から、大学の講義は面白くないものと相場が決まっています。いやいや、一部の例外は除いてですよ。それに「面白くない」のには学ぶ学生側の責任も多々あることも認めます。とはいえ、やはり教える「先生」側でもできる努力はしておきたいですね。

 今年私が見て回った「大学教授の講義ビデオ」の大半に共通して感じた問題点を極論して一言で言うと、

  • おまえは音声読み上げロボットか!!

 この一言でもう「ああ、あれね」とイメージできると思いますが、まったくメリハリがなく一本調子で淡々と読み上げるような調子で続く「講義」が多かったわけです。子守歌じゃないんですから眠気を催すような声で授業をするのはやめてくれ、と思ったのは秘密ですよ。

 この点について、もし100点満点で合格点を70点とするなら、大半の先生は20点〜30点レベル、ちょっと上手い人でもせいぜい50点いくかどうかでした。もっとも、たまに70点を超える先生もいまして、そういう人はさすがにハッキリ次元の違う上手さに感じますが、あくまでも例外です。

 やはりこれではいけません。単に「専門知識がある」だけでは「教える仕事」はできないのです。では、専門知識の他に何があれば「教える」ことができるのか、それが気になるところです。このへんで「教える仕事の成功方程式」を考えてみることにしましょう。

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