教える仕事の成功方程式、といっても見方によって何種類もありますが、今回この記事で扱うのは1つだけです。それが下記の式。
意味は「教える仕事の成果は、構造・シナリオ・アクションのかけ算で得られる」というものです。厳密に言うと方程式ではないのですがまあ細かいことは気にしないでください 要するに、かけ算ですから
ということが問題です。冒頭で話題にした「音声読み上げロボットのような講義」というのは、ちょうど「アクション」がダメな例にあたります。これ1つの失敗でそれ以外のすべての努力をぶちこわしにしてしまう――。そういう怖さがあることをぜひ覚えておいてください。
さて、ここまで「アクション」のほうから話をしてきましたが、このへんで順を追ってこの「教える仕事の成功方程式」を見ていきましょう。
まず1つ目の「構造」というのは、「専門知識そのものの構造化」のことを指します。第2回の「中央構造線」、第3回の「ロジックツリー」および「機能ブロック・モデル」は、いずれも「専門知識を構造化」した例です。この「構造化」の段階では実は、
ことに注意が必要です。なぜなら、この「構造化」の作業は「自分自身がその専門知識をよりよく理解するための工程」であって、あくまで自分のために必要なものだからです。
プレゼンテーションの本を読んだり研修に行ったりすると、
をまず考えて、それに合わせて流れを組み立てろ、とよく言われますが、それはあくまでも「プレゼンテーション」の場合であって、「教える(ティーチング)仕事」の時には少々事情が違います。その違いは第1回で書いた
という根本的な性格の差によるものです。実際のところ、この「構造化」を十分にやった上で教えているケースというのは非常に少ないので、まずは自分自身の理解をしっかり固めるために「知識の構造化」をとことんやっておきましょう。もう一度言いますが、知識の構造化をする段階では、
逆に、これをしっかりやっておけば、誰に教えるときにでも対応できるものです。
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