入力はテキストデータだけ――折りたたみ式キーボード搭載の「ポメラ」仕事耕具

キングジムは、テキスト入力ツール「ポメラ」を発表した。折りたたみ式キーボードと4インチのモノクロVGA液晶画面を搭載。入力できるデータはテキスト(TXT形式)のみで、日本語入力環境は組み込み向けのATOK 2007を採用した。

» 2008年10月21日 15時12分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 キングジムは10月21日、テキスト入力ツール「ポメラ」を発表した。11月10日に発売する。価格は2万7300円。

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キーボードは、Let's note「R」シリーズを意識

 ポメラには、折りたたみ式キーボードと4インチのモノクロVGA液晶画面(640×480ドット)を搭載。入力できるデータはテキスト(TXT形式)のみで、日本語入力環境は組み込み向けのATOK 2007を採用した。MS-IMEモードも選べるようになっている。JIS第1水準、第2水準の文字のほか、100単語までの辞書登録も可能だ。

 キーボードはJIS配列で、キーピッチが17ミリ、キーストロークが2ミリ。キングジムでは「Let's noteのRシリーズのキーボードを意識した」という。

(左)本体。閉じているところ。(右)液晶を開くとキーボードを開くための説明書きが。本体左側面にキーボードを開くためのボタンがある

(左)キーボードを開いたところ。(右)キーボード右上に電源ボタン

 モノクロ液晶にバックライトは付いていないが、「コントラストの高い液晶を採用したため、多少薄暗いところでも視認性は高い」(キングジム)という。また白黒を反転することも可能だ。文字サイズは1画面に全角26文字17行を表示できる24×24ドットフォント、全角20文字12行の32×32ドットフォント、全角13文字8行の48×48ドットフォントを選択できるようになっている。

フォントサイズは3種類

 起動時間は電源を入れてから約2秒で、単四形アルカリ乾電池2本による20時間の連続駆動が可能だ。あらかじめ設定した時間で自動的に電源が切れるオートパワーオフ機能や、キーボードを閉じると電源が切れるクローズパワーオフ機能などを搭載した。

高さ75センチからの落下試験にも合格

 本体メモリは128キロバイトで、本体内に1ファイル8000文字、合計6ファイル4万8000文字を保存できる。また、USBポート(mini B)やmicroSDスロットを搭載しており、USBケーブルやmicroSDカード経由でWindows VistaやXPのPCとテキストデータのやり取りができる。パスワードの設定も可能で、USB経由でPCに転送したファイルにもパスワードをかけられる。

 なお、PCに接続中はUSB給電で駆動する。またSDHCには非対応で、読み込めるのは容量2ギガバイトまでのmicroSDカードとなっている。

 大きさはキーボードの折りたたみ時が145×100×30ミリ(幅×奥行き×高さ)。キーボードを開くと幅が250ミリに広がる。重さは約370グラム。「高さ75センチからの落下試験にも合格した」という。カラーバリエーションはパールホワイト、プレミアムブラック、トワイライトオレンジの3色。

 このほか、素材は革製品のリサイクルレザーを利用したポメラ専用ケース「DMC1」も発売する。価格は5040円。

ケースをつけたところ。専用ケースにはポスト・イットも付属する

「何でもできる」からの転換

 キングジムの横田英人開発本部長は「ビジネス文書のほとんどはPCで作成するが、外出先では手書きのメモを取る人も多い。PCは起動時間の長さ、バッテリー使用時間の短さなど、手軽に使えるメモとしては使い勝手が悪いからだ。ポメラはそうした欠点を解消した。Webブラウザなどは搭載していないが、快適に使える」とコメント。

 2万7300円という価格は、Eee PCのようなミニノートPC(Netbook)を下回るように設定した。「ターゲットはビジネスマン。出張、打ち合わせが多い人だ」(キングジム電子文具開発部の亀田登信部長)

 ポメラの由来は「ポケットメモライター」から。まさにポケットにしまえるメモライターなのである。横田氏は「何でもできるデジタルツールから、安心して使える機能を選択して組み合わせる時代に転換して来ているのではないか」とテキストだけを入力できるポメラをアピールした。

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