不安を引きずらせないための切り替えトークプロ講師に学ぶ、達人の技術を教えるためのトーク術(1/3 ページ)

学習セクションが連続するとき、1つでも不安があると後続部分の学習効率を大きく落としてしまいます。そのため、できるだけ「不安」が起きないようにしたり、たとえ起きても後に引きずらせないようにしたりする配慮が必須。特に現場の講師が考えたいのは、後に引きずらせないためのトーク術です。

» 2009年03月10日 10時15分 公開
[開米瑞浩,ITmedia]

 前回の記事中で、「不安は後続の学習努力を妨害する」という話題に少し触れました。もう一度その時の図を再掲すると図1のようになります。

 複数のテーマに関する学習セクションが連続するとき、1つでも不安があると後続部分の学習効率を大きく落としてしまいます。そのため、研修プログラムを設計するときには、

  • 予防:できるだけ「不安」が起きないようにする
  • 消火:たとえ起きても後続に引きずらせないようにする

 ような配慮をしておかなければなりません。簡単に言うと、それぞれ以下のようなポイントがあります。「予防」のためには、

  • 1-a:1つのセクションで扱うテーマを単純化する
  • 1-b:振り返って理解を確認するための「まとめの一言」を入れておく

 「消火」のためには、

  • 2-a:各セクションの独立性を高くする
  • 2-b:それが受講生に分かるようにハッキリと伝える

 今回はこのうちの「2-b:それが受講生に分かるようにハッキリと伝える」について書きます。というのは、残りの3つは研修教材の準備段階から考えておかないといけないのに対して、2-bだけは研修の場での講師の「しゃべり」だけでもなんとかなる、いわばハードルの低いすぐに使えるノウハウだからです。

 それではゴールイメージを確認しておきましょう。目指す目標は、例えば図1でテーマAからBへ移るときに、受講生が下記のような心理状態になれることです。

A→B切り替え時の受講生の心理状態

 よーし分かった! Aについてはこれで終わりだな! じゃ、次いこ次!!


 では、こういう心理状態を引き出すために講師がどんな話をすればいいか、少し図2の空欄(X)(Y)(Z)を考えてみましょう。

 答えは、特に(Y)と(Z)については非常に単純ですので、「受講生の心理状態」と照らし合わせて単純に、ひたすら単純に考えてください。

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